音楽のおべんきょうφ(.. )メモメモ

NHK-FMWorld Rock Nowでの渋谷陽一氏の解説で面白かったものをメモしてゆきます。

クイーン(Queen)、ポール・ロジャース(Paul Rodgers)が加わり別のバンドになる

world rock now 20081010

児島由紀子「ついに再結成をして新作まで作ってしまったクイーン+ポール・ロジャースの話。」

渋谷陽一「何年ぶりの新作なんですか。」

児島「しかもポール・ロジャースとの組み合わせということで、去年渋谷さんがすごいブルージーなクイーンになるんじゃないかって予想をしてたじゃないですか。まさにその通りになってしまったんです。」

渋谷「そちらの評判はどうですか。」

児島「あんまりかんばしくはないですね。後期のクイーンというのはキッズでエキセントリックなポップが売りだったじゃないですか。それにポール・ロジャースのような生真面目なロッカーが入ってきたことによって面白みが薄れたという評論なんですよ。こっちでは。」

渋谷「まさにその通りですね。クイーンという枠を取ってしまえば非常にオーソドックスなロックなんですけれども。」

児島「バンド名を変えればよかったんですよね。」

渋谷「すごいこといってますね。児島さん。変えちゃしょうがないんですよ。」

児島「今まさにヨーロッパのツアー中なんですが、それが終わってその後はドバイとブエノスアイレスが入ってるんですけれども、今回は日本ツアーはないんですかね。」

渋谷「どうなんですかね。日本にもファンはいっぱいいるんですけれどもね。」

児島「そうですよね。クイーンといえば日本で先に人気が出たバンドとしてこっちでも通用していますんで。」

渋谷「そうなんですよね。是非日本にもちゃんと来て。」

児島「日本だとちゃんとお客さんはいると思いますよ。」

渋谷「いや入ります。」

児島「こちらでもアリーナクラスですし。」

渋谷「そうですね。そしてみんな昔の曲を待っているという。」

児島「ほとんど昔の曲ですけどね。セットリストみてみると。」

渋谷「その辺は自覚があるんですね。自分たちがなんであるのかということが。」

児島「新曲はあんまり入ってないです。ちゃんと自覚していますね。」

渋谷「ただ、ニーズがそこにあるといっても、それをそのまま作れるかというと、なんちゃってクイーンを作るようりは自分たちのオーソドックスなものを作ろうというそういう結論だったと思いますね。」

 

渋谷「これをクイーンと言われてもなぁという。これはまた別のバンドですよね。ファンやメディアの戸惑いも詮無いことかなぁという感じがいたします。」

オアシス(oasis)は体育会系サイケである説

world rock now 20081010

 オアシスでAin't Got Nothin'。

 

 今回のアルバムは何かとオアシスをけなすイギリスのメディアもすごくこの作品を応援しているという情報が入っておりますが、骨太でサイケデリックな作品に仕上がっております。オープニングナンバー、僕はこれが一番出来がいいんじゃないかなぁと個人的には思っているんですが、聞いていただきたいと思います。Bag It Up。

 

 骨太なロックンロールではありますけれども、サイケデリックが非常に強く反映されている音作りになっております。それはビデオクリップを見ても分かりますし、ジャケットもこれぞサイケというデザインを見てわかるんですが、ただ面白いのはサイケデリックというとどちらかというと脱力系、文系、そんな感じの音づくりというか世界観なんですが、オアシスがやると体育会系サイケというかそんな感じが非常にして、この力強さとサイケデリックの決定的な矛盾と、しかしそれを無理やり統一するエネルギーとその辺が非常に面白いなぁと思います。もう一曲体育会系サイケを聞いていただこうと思います。The Turning。

 

デヴィッド・バーン&ブライアン・イーノ(David Byrne & Brian Eno)に学ぶエレクトリック・ゴスペルとは?

world rock now 20080912

 ブライアン・イーノとデヴィッド・バーンという大物ミュージシャンがMy Life in the Bush of Ghosts以来約30年ぶりにコラボレイトした新作が大変話題になっております。年配のおじさん批評家達がとても盛り上がっていて、彼らが大絶賛しているという状況なんです。もともと作品を作り始めたきっかけというものは、25周年を迎えたくらいでなんとなくもう一回やってみないかという話し合いがあって、じゃあやってみようとなり、イーノが曲ができてこれはちょっと俺には歌詞が書けそうもないなぁという曲があったらしいので、それをデヴィッド・バーンに送ったらしいのですね。もともと今回のアルバムの作り方もこれまでやったことがない形でやったらしくて、二人がスタジオに入ることはなくEメールでやり取りをしながら曲と歌詞を書くという形で、イーノがサウンドをつくり、バーンが歌詞をつくるという分担作業をやったらしく、イーノが曲を書いてそれをバーンにEメールで送ったんですね。しかし、何ヶ月たっても返事が来なかったので、やっぱりこのコラボレーションはなかったのかなぁと思いながら、ちょうどコールドプレイのアルバムを作っていたので、クリス・マーティンの前でなんとなく弾いて聞かせたら、この曲最高ということで、クリス・マーティンは早速人生最高の曲ができましたといって曲を完成させてもってきたらしいんですけれども、運悪くなんの返事もしてこなかったバーンがその日に偶然メールを送ってきまして、One Fine Dayという曲なんですけれども、それを聞いたクリス・マーティンがこの曲よりはよくできませんでしたということでその曲はボツになってしまったんですが、バーンいわく、久しぶりのコラボレーションだったのでナーバスになってしまってどうしていいか分からなくて数ヶ月たってしまったと後で言い訳をしておりましたが、このアルバムは二人にとってはエレクトリック・ゴスペルというテーマで作ったようで、批評家達が絶賛している理由の一つが、これだけたくさんソロにしろプロデュースにしろいろいろな作品を作ってきた二人が、これまでに作ったことがないようなサウンドを今になって作ってきたことを絶賛していて、特にバーンのボーカルはゴスペルシンガーからは程遠いシンガーではあるんですけれども、キャリアにない温かみとかメジャーキーを歌っている、しかも歌詞の中で「僕は見失ってしまった 僕は怖くはないんだ」みたいな現実を見つめてなにがしかを超えてゆく、その希望を見出したところがすばらしいと絶賛されております。批評家達はイーノが歌えばよかったのにとか、できればトーキング・ヘッズにしてくれよとか、いろいろいっているんですけれども盛り上がっております。One Fine Day。



The River。



Poor Boy。


ロラパルーザ(Lollapalooza)、都市型フェスになって復活する

world rock now 20080815

 日本もフェスシーズン真っ只中だと思うんですけれども、アメリカのフェスでロラパルーザを紹介したいと思います。ロラパルーザは90年代にアメリカでオルタナを育てたフェスだったんですけれども、その後復活して何度か失敗したりして低迷していたんですが、4年前にシカゴで場所を移動しないでやる方式に変えてから急に成功しはじめまして、今年行ってみたら初日7万5000人で完全ソールドアウトで、3日間で22万5000人も集めて、4年間の歴史の中でも最も人を集めたフェスになりました。成功の秘訣が行ってみて分かったんですが、街のど真ん中で行われているんですね。日本で言えば日比谷公園を借り切ってやっているような状態で、なのでアクセスがすごいいいんですよ。騒音の問題もあるんで10時に終わってしまうんでそのまんま家に帰れるという。それが成功の秘訣かなという感じですが、今年はそれに加えてもともとロラパルーザ出身といってもいいと思うんですが、レイジ・アゲンスト・ザ・マシーンとかナイン・インチ・ネイルズとかそれとは関係ないんですがレディオヘッドとかがヘッドライナーだったという面子の強烈さもあり成功になったと思います。ボナルー・フェスティバルのような飛行場から一時間かけていくような田舎のど真ん中でやるようなフェスとは違って、いろいろな人たちが来ているというのはいい点でもあるんですけれども、熱心な音楽ファンというよりは広くみんなに音楽を聞いてもらおうという感じなので、音楽がいろいろなステージから聞こえてしまって、うるさいといえばうるさいんですが、そういう中でどんな音楽が勝ち残っていくのかということも重要になってきて、そこで明暗が分かれてしまうようなこともあるんですけれども、ナイン・インチ・ネイルズはすばらしい演奏で聴かせるようなインストが入った部分があって、非常にアーティスティックではあったんですけれども、ガヤガヤしている中でそういうハードコアなことをやってみると人が気が散って帰ってしまうということがあったりですとか、一方でカニエ・ウェストみたいな人はシカゴ出身ということもあって本人も張り切っていて、ボナルー・フェスティバルみたいな失敗はなかったんですけれども、ヒット曲をガンガン並べながらレイザー光線で光の演出で大成功をしたという。またレディオヘッドが初日のヘッドライナーだったんですけれども、レディオヘッドもライティングを生かしたすばらしいショーだったということですが、最大の盛り上がりはレイジ・アゲンスト・ザ・マシーンで曲もいいですし、パンチもあるパワフルな曲なので人がすごく集まって、人が前に押し寄せてしまって何度も中断しなければならないほどの盛り上がりだったということで、昔の面子ではありながらも大変盛り上がったフェスでした。

MGMT(エム・ジー・エム・ティー)に学ぶ新しいロックの世界観とは?

world rock now 20080718

 MGMTでTime to Pretend。

 

 彼ら自身の置かれた立ち居地を象徴している曲で歌詞はこういうものなんですよね。

  露骨な気分だ粗野な気分だ
  今こそ人生の全盛期だ
  音楽を作り出し大金を稼ぎ
  モデルを見つけて結婚しようぜ
  俺はパリに引っ越してスター達とベットに入る
  君は島の豪邸と高級車の面倒をみてくれればいいんだ
  これが俺達の決断だ
  放蕩に生きて早死にするのさ
  でも何もできないんだ
  俺達は何もできないんだ
  人生をやり直すことだってできるさ
  いずれモデル達は子どもを生み俺達は離婚をする
  でも他のモデルを見つければいい
  すべてはなるようにしかならないさ
  そして最期に自分のゲロで喉を詰まらせて死ぬんだ

 楽しくない歌ですよね。要するに、昔のロックは前半だけで、さあ金をもうけるぞ、ロックスターになって最高の気分を味わうんだぞ、みたいな歌詞だったんですが、そんなことやったって将来ろくなことにならなくて結局死んじゃうんじゃないかみたいな、そういうロールモデルをたくさん見てきてしまって、そこで楽観的な未来は語れない。そこでシニカルにならざるを得ない、でもロックはやりたい、という彼ら自身の世界観とロック的な教養が詰まった非常にユニークなナンバーでございます。説明ばかりでどんなバンドか言っていませんでしたけれども、2002年にコネチカット州で結成された、ベンとアンドリューの二人組みで、2005年にこの曲をインディーレーベルからリリースして、もう世界的に評価と注目が集まっているバンドでございます。続いて聞くのはPieces of Whatというナンバーなんですけれども、これも非常に歌詞が象徴的でございます。

  世界が麻痺している
  おかしくなった時には奉げるものは何もない
  愛が過ぎ去り粉々に砕け散ってバラバラになったものが
  拾い集められる時を待つのさ

 これはこれまでのロックによくある歌詞だと思うんですよね。すべてが粉々になりなくなってしまったと。このMGMTがすごく面白いのはその後にどういう言葉が続くのかというと

  しかし何がバラバラになったんだ
  何がバラバラになったんだ
  何がバラバラになったんだ
  もう関係ないじゃないか

 っていう歌詞が続くんですよね。我々はバラバラになったということに強力な世界観を設定していたんですけれども、バラバラになったっていうけれども何がバラバラになったの、すでにバラバラじゃん、という。これは面白いと。しかもこれから聞いていただくと分かりますように非常にメロディアスでいい曲なんですよ。彼ら自身は学生時代、音楽の目標は人が聞いて気持ち悪い音楽を作るということを一つの目標に掲げていたそうでありますけれども、非常にそれは反語的な表現でありまして、彼ら自身の基本になっている音はこういう音だし、彼ら自身の基本にある世界観はすごくポジティブなものですけれども、それが実現しないが故にこうなるという、その辺のねじれ加減が心を打ちます。Pieces of What。

 

 彼らがポップロックバンドとして非常に体力を持っているということでもう一曲聴いていただこうと思います。Future Reflections。

 
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