音楽のおべんきょうφ(.. )メモメモ

NHK-FMWorld Rock Nowでの渋谷陽一氏の解説で面白かったものをメモしてゆきます。

ロキー・エリクソン(Roky Erickson)の生き様から生まれてきた音楽

20101217

大貫憲章「この作品が今年一番すごいと思ったものなんですけれども、ロキー・エリクソンという13thフロア・エレベーターズ(The 13th Floor Elevators)という1960年代のアメリカのサイケガレージのバンドのリーダーだった人の作品です。しかも、彼らはテキサス州オースティンの出身で、当時サイケが流行っているから俺達もサンフランシスコで一旗揚げようぜということでやったら、一曲(You're Gonna Miss Me)だけ当ったんですよ。しかし、そこで勘違いしちゃってアルバムを一枚作ったんだけど、この一曲だけでダメになっちゃって、そこからが彼の悲惨なというか、すごい人生のはじまりなんですよ。故郷のオースティンへ一回帰るんだけれども、周りは人気者が帰ってきた、しかも当時ヒッピーブームだから、彼らに会いに来ていろいろなイケナイ貢物を出すんですよ。ロキーもイケナイものだと知りつつもみんな頂きましょうみたいなことをやったら、とうとう少しずつ心が病んでしまって、警察とトラブルがあったりとか、捕まったりして病院送りになってしまったんですよ。そして、そういう生活とシャバに出るみたいな生活の繰り返しを20年以上もやっていて、その間に13thフロア・エレベーターズの見直しみたいなものが時々行われていたじゃないですか。1990年代から特にね。プライマル・スクリームとかもやってましたけれども、そういうリスペクトしている人たちが出てきて、ようやく今年新譜が出て、これがすばらしい。「True Love Cast Out All Evil」というタイトルがいいんですけれども、真の愛が全ての悪魔を葬り去るという。とにかく聴いて頂きたいと思います。」

 

渋谷陽一「すばらしい。これはすごい。買う俺。」

大貫「この人の生き様から生まれてきた音楽というのも。」

渋谷「物語もすごいけれども、音だけで全然いい。さすが大貫さん。」

伊藤政則、日本で若いアイアン・メイデン(Iron Maiden)ファンが増えないことを嘆く

20101217

伊藤政則「アイアン・メイデンの最新アルバムはThe Final Frontierって言うんですけれども、この番組で渋谷さんはほとんどコメントをせずに、俺のライナーだけを読んで紹介したという逸話が残っているらしいですよ。」

大貫憲章「それは正しいやり方ですね。」

渋谷陽一「それ以上の表現はないもん。」

伊藤「でも、前のアルバムもそんなやり方の気がする。俺のライナーをずっと読んで曲を紹介するだけという。」

渋谷「それやるとリスナーが笑ってくれるからさぁ。」

伊藤「そこかよ。演出か。でも、アイアン・メイデンもデビュー三十何年になるけど、未だにアリーナというアリーナを一杯にして立派です。すごく強固なファンベースがあって、そのファンベースをヨーロッパを中心に若い層まで広げているというのはすごいよ。十代のファンが多いんだよ。北欧とかヨーロッパは。」

大貫「アッチのほうは北欧メタルとかジャーマンメタルとかあるくらいだし、まだメタルは強いんですか。」

伊藤「強いね。ドイツとかヨーロッパ大陸はね。」

大貫「あとは日本?」

伊藤「日本はヨーロッパほど若いファンは耕されていないんじゃないかなと思うんだけどね。」

大貫「じゃあ、伊藤さんのこれからの使命は日本でいかにメタルファンを耕すかですね。」

渋谷「メタルだけじゃなくて洋楽ファンが減ってきているからね。耕さないとね。で、今度はテーマが宇宙に進出したという。」

伊藤「ボーカルのブルース・ディッキンソンというのはジャンボ機のパイロットだったんですよ。このThe Final Frontierの前のツアーはブルース・ディッキンソンが操縦するジャンボ機にメンバーとクルーと機材を乗せて、全世界を廻ったという。だから、行けないところはないわけだね。例えば、オーストラリアでやるときに、西のパースでやった後、東に移るのは三日四日陸送をしなければいけなかったけど、それを中一日くらいでできるようになったとかで、すごく効率がよくなって、南米とかもこまめに廻れるようになったんですよ。で、Coming Homeはパイロットの操縦席から見て、本当に地球っていうのは一日たりと同じ日がないというのを、パイロット席からみて、Coming Homeというのは自分の住んでいる国、みんなの故郷に行くんだけれども、また一日二日で違う場所に移らなければならないという、そういうパイロットとミュージシャンと双方の目から見た気持ちが歌われているらしいんだよ。なかなかいい曲です。」

大貫「深いねぇ。哲学的だね。」

伊藤「そこまでじゃないと思うんですけれども。」

 

児島さんに学ぶ、喧嘩別れしたバンドとの付き合い方

20101203

児島由紀子「元オアシスのリアム・ギャラガーの新バンドBeady Eyeについてです。世界最速のインタビューを取りました。」

渋谷陽一「友達だからすぐ話ができる。どちらかというとノエルの方が仲良かったじゃん。児島さんは。」

児島「いや、私はどっちにもついていませんので。あのですね、こういうバンドの内輪争いになったときは、どっちかにつくっていうことは非常に危険なんですよ。」

渋谷「なるほど。」

児島「もうそういう痛い目に以前何度もあっていますんで。」

渋谷「じゃあ、ノエルともリアムとも同じように仲がいいわけですか。」

児島「そうです。こういう血のつながった兄弟の場合、仲直りした時にどっちかにつくとどっちかから必ずうらまれるんですよ。」

渋谷「でもいつかは仲直りするような予感の兄弟ですね。」

児島「しますよ。だって、リアムがこっちのメディアであなたが選ぶベストフロントマンは誰ですかという質問に、躊躇なくノエル・ギャラガーって名前をあげるんですから。」

渋谷「でもまだリアムはノエルに対してそれなりのわだかまりを持っているでしょうし、やっぱり俺だってやってやるんだっていう意地もあるでしょうから。」

児島「やっぱりあの人でもプライドはあるんで。このバンドで頑張るんだと思いますよ。ノエルもソロを出すらしいし。来年。」



ニール・ヤング(Neil Young)、ギターと歌とダニエル・ラノワ(Daniel Lanois)の音響のみでエモーショナルなロックアルバムを作る

20101119

 二ール・ヤングの新作「Le Noise」という本当にすばらしい作品なんですけれども、今回の二ール・ヤングの作品はプロデューサーにダニエル・ラノワという、非常にスタジオでの音響的な音作りがうまい人を迎えて、なんと二ール・ヤングは自分のギターと歌のみで音を作っております。なぜそのような音作りをしたのかは二ール・ヤング自身の言葉を待たなければいけないんですけれども、僕自身はロックの直接性、彼自身のエモーションをダイレクトに伝える、激しいロックをきっちりと演奏したい、そういう思いがこのスタイルを選ばせたのではなかろうかと思います。まず、Sign of Loveという、これは本当に美しいラブソングで、彼の年齢だからこそ書けるすばらしいシンプルでこれ以上になるラブソングを聴いていただこうと思います。Sign of Love。

 

 このすごいアルバムの中でも本当にすごい曲、Love and Warという曲を続いて聞きたいと思います。歌詞が本当にシンプルで、誰でも分かる言葉で、でもここまで深いことを言うことができる。そして、ロックのすごい直接性がある。でも、メロディーはこんなに美しい。そして、音はこんなに激しい。すごい曲だと思います。

 

 この「Le Noise」という作品は8曲入りのアルバムなんですが、どれもこれもこういうものすごい切迫感に満ちたすばらしいナンバーばかりです。二ール・ヤングのギターとボーカルと、このダニエル・ラノワのものすごい緻密なサウンドテクニックによって、すごい作品になっております。これを聞きながら、これを番組で紹介するために俺は生まれてきたんだみたいな、異様な盛り上がり方で選曲していましたけどね。もう一曲このアルバムから聴いてください。Angry World。

 

ハーツ(Hurts)がスーツを着続ける理由

20101119

 イギリスの新人バンドハーツでBetter Than Love。

 

 イギリスの新人バンド、マンチェスター出身の二人組であります。この音を聞くと本当によく出来ていて、これはなんか大手資本のバックアップがついている産業ポップデュオかなぁみたいな、ルックスを見るとものすごくファッショナブルで、非常にドレスアップしたスーツにモノクロの写真という、これもすごい戦略性を感じさせるもので、怪しいと思ったんですけれども、ライナーを見ると実はそういうバンドではなくて、いっぺんメジャーデビューを別のバンド名で果たしていて、そこで音楽産業的な垢にまみれて、もうこんな世界は真っ平ご免と反省をして、自分達だけでとにかく自分達の好きなことを自分達の思い通りにやろうというモードで、ビデオクリップも3000円くらいで作ったとかホントかよという感じなんですが、まさにDo It Yourselfな形で自分達のポップ世界を追求しているわけであります。このバッチリとスーツをきめたスタイルは、実は彼ら自身がどん底の生活、全く収入のない状態で生活している時に自分達のプライドを保つためにはどうしたらよいのか、人から見下されないためにはどうすればいいのか、せめて服だけはきっちりとやろう、そうすれば人にはバカにされない、そこで俺達は自分達の高いプライドをもって音楽をやろうというそういう思いでここ何年間もやってきたスタイルという、非常に攻撃的なものだったんですね。聞いてみないと分からないなぁ、ライナーノーツは勉強になるなぁみたいな感じです。そういう自分達自身の思いを貫いて非常に低予算で、でも妥協することなく作り上げた世界が、この金の匂いがするゴージャスなポップ世界だったという、そういうグループでございます。Wonderful Life。

 
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