音楽のおべんきょうφ(.. )メモメモ

NHK-FMWorld Rock Nowでの渋谷陽一氏の解説で面白かったものをメモしてゆきます。

レディオヘッド(Radiohead)、Creepをライブでやるようになる

20170707 

児島由紀子「今年のグラストンベリーでヘッドライナーを務めたレディオヘッドについてです。「OK Computer」の20周年盤が出たじゃないですか。しかも、リリースされたその日にグラストンベリーのヘッドライナーということで、みんなアルバムの完全再現ライブじゃないかと直前まで期待していたんですよ。そういう噂があったんですけれども、やっぱり違いました。グラストンベリーは毎年BBCで中継されるんですね。私もBBCの中継でフルセットを見たんですけれども、「OK Computer」の曲は7曲やっていましたので。」

渋谷陽一「かなり聞くことができたんですね。」

児島「かなり再現してくれたと思いますよ。もちろん、Paranoid Androidとか、Karma Policeとか、「OK Computer」からの曲ではないですけれども、Creepもちゃんとやってくれまして。」

渋谷「すごいですね。最近割とそういう感じですよね。」

児島「そうなんですよ。一時Creepをやるのを嫌がっていましたけれども、ここ数年はちょくちょくやるようになっていますよ。」

渋谷「そうですね。自分達が求められるものが何であるのかが・・・。」

児島「そう。その辺、少しづつ態度がやわらいできているみたいです。」

渋谷「リマスター盤に入っている、それこそライブでしかやっていなかった楽曲もやはりすばらしいし。」

児島「そうですね。未収録曲のMan of War。これはすごく90年代っぽくて、初めて聞いたときはスウェード(Suede)かと思いました。ギターもガンガンはいっていて、今のレディオヘッドとは丸っきり違います。」



渋谷「バリバリロックな感じでいいですよね。」

児島「私はこの曲すごく好きですね。」

渋谷「ファンの評判もいいみたいですね。」

児島「そうなんですよ。今年のグラストンベリーのベストライブアクトじゃないかという噂がすでに出ていまして、全英アルバムチャートでは多分これが一位になるだろうと、今はそういう勢いになっているんですよ。」

渋谷「やはり、レディオヘッドの別格感と存在感はすごいんですね。」

児島「そうですね。これは90年代を代表する名盤ですからね。」

渋谷「ロックを代表する名盤といってもいいくらいですけれどもね。じゃあ、レディオヘッドも今年はがんばってくれるという感じなんですね。」

児島「そうですね。これは世界ツアーにはならないんでしょうかね。」

渋谷「是非やってもらいたいですよね。」

児島「是非、日本にまで行ってほしいですけれども。」

渋谷「本当にレディオヘッドのライブみたいですよね。このジャストのタイミングで。それでは話題の初音源化ナンバーが収録されているんですが、その中の一曲。これはビデオクリップの非常にインパクトがありましたけれども、聞いてください。I Promise。」



渋谷「ほんとうに初音源化された三曲はすばらしいです。勢いにのって、もう一曲聞いていただこうと思います。Lift。」


世界で一番稼ぐミュージシャン、カルヴィン・ハリス (Calvin Harris)

20170707 

 ポップモンスター、カルヴィン・ハリスの新作を紹介したいと思います。このアーティストのスケール感は日本ではよくわからないですけれども、例えば楽曲再生回数1兆回、動画サイトでの動画再生回数100億回以上、米経済紙フォーブスが選ぶ世界で最も稼ぐDJランキング2013年から4年連続で1位。DJって今は一番稼ぎますから、その中で1位ってことは、世界一金持ちのミュージシャンと言っていいのではないのでしょうか。そのカルヴィン・ハリスが最新作を作って発表しました。そういうポップモンスターであると同時に、常に音楽の最前線。ゲストミュージシャンがフランク・オーシャン (Frank Ocean)とミーゴズ(Migos)。これ以外考えられないでしょみたいなキャスティングで、これは素晴らしい曲だと思います。聞いてください。カルヴィン・ハリスでslide。


 見事すぎて関心しちゃいますよね。もう一曲見事なカルヴィン・ハリスのナンバーを聞いてください。Prayers Up。



ポップミュージシャンは時代の証人である説

20170623 
 
 ベンジャミン・ブッカー(Benjamin Booker)とケイティー・ペリー(Taylor Swift)が「Witness」というタイトルのアルバムをほぼ同時に発表したということは、僕はすごく印象的だし、両方ともすばらしいアルバムだったし、両方とも社会にどうポップアーティストとしてコミットしていかなければならないのか、その中でどのような作品活動をやっていかなければならないのかという、明確な問題意識をもった作品だったのがすばらしいなぁと思います。そこで、ジェイムズ・ボールドウィン(James Baldwin)の言葉からなのかもしれませんけれども、タイトルとして「Witness」と出たということは、これもまた象徴的で、つまり簡単に言ってしまうと、ポップアーティストというのはどういう存在であればいいのか。傍観者ではありたくない、むしろそれは時代の証人として自分達は生きなければならないと。ポップアーティストというのがどういう役割で、現実的に政治家ではないわけですから、現実を変えるとかなんとかよりも、自分達自身が作品活動によって、何をやるのか。アジテーションとかそういう要素もあるのかもしれませんが、自分達のやることはまさに「Witness」、証人として時代のもっともヒリヒリとした断面を切り取っていくという作業であるというところから、同じタイトルのアルバムが登場したということは、僕は全然偶然ではないし、アメリカの大統領がかわってから、こういうすごくクリアなメッセージをが続いているとうのも、全然偶然じゃないと思います。

ケイティー・ペリー(Katy Perry)、戦う

20170623 

1、vs ドナルド・トランプ(Donald Trump)

 ケイティー・ペリーの最新作を紹介します。彼女が今回の大統領選において、ものすごくクリアに政治的なメッセージを発して、ヒラリー・クリントン(Hillary Clinton)の応援を徹底的にやり、ポップアーティストとしてはかなりリスキーな形で政治にコミットしていたことは、誰もが知っていることです。それに対して彼女はなんら後悔をしていないし、よりいっそうその姿勢はクリアになってきていて、ポップアーティストとしてはものすごく現実との向き合い方の最前線にいる、そういうアーティストです。その彼女の最新作が「Witness」。まずはアルバムタイトルナンバーを聞いてください。Witness。



2、vs テイラー・スウィフト(Taylor Swift)

 当然、大エンターテイメントアルバムで、政治的メッセージや社会的な倫理観みたいなものを全編歌われているわけではなくて、大エンターテイメント、大ポップアルバムで、そこがすばらしいんですけれども、エンターテイメントの要素はいっぱいあって、最近のポップミュージック界の話題は、このケイティー・ペリーとテイラー・スウィフトのディスり合いというのがかなりシリアスに展開していて、ケイティー・ペリーとしては期待されているのですから応えないといけないというところで、すごい曲があります。Swish Swishという曲で、具体的に名前はあがっていないですけれども、ポップミュージックに多少興味がある人ならば、これが何について歌われているのか明確なんですけれども、

  抜け目のない人ね
  あなたの本音はお見通しよ
  だってあなたはジョーカーだから
  そして私はコートサイトのキラークイン
  そしてあなたは指輪にキスをすることになる
  本当よ
  だから落ち着いてハニー
  私はしばらくここにいるから
  1分以上はね
  だから慣れてちょうだい
  おかしなものね
  あなたの口から私の名前ばかり出てくるなんて
  だって私はずっと勝ちっぱなしだから
  シュートを決めてよ
  シュッシュッ
  ほらねバスケット中にもう一本
  こんなの誰も真似にできない
  棺桶行きがまた一人
  あなたのゲームは飽きられているのよ
  引退した方がいい
  あなたもまあ魅力的よ
  期限切れの古いクーポンと同じくらいね
  因果応報は嘘じゃない
  彼女はレシートをとってある

 すごい曲です。聞いていただこうと思います。Swish Swish。



 本当にケイティー・ペリーとテイラー・スウィフトの戦いというのは、一種のポップミュージック界のエンターテイメントになっていて、それはもう本人達も十二分にわかっていて、むしろそれを利用して盛り上げているという一種プロレス的な要素もあって、ケイティー・ペリーもテイラー・スウィフトも我々はそんなに戦いたいわけではないと、仲良くしたいんですよっていうコメントも出して、こういうのはよくあるんですけれども、喧嘩しても何とかの賞で二人手をつないで出てくるくるとか。それでまたひと盛り上がりして、なかなか日本人にはそのタフさをよく理解できないですけれども、本当にこういうことをエンターテイメントにしてしまうタフなのが、ポップミュージック界のインタナショナルな有り様でございます。

3、vs 社会

 シリアスなメッセージもありながら、こういったいろいろな要素があって、すごくセクシーなテーマの曲もあって、Migosという今注目のミュージシャンをフューチャリングしたBon Appetitというナンバーでは、

  おかわりしたいんでしょ
  そうね私は24時間営業であなたを満足させたい
  お客様は神様ってこと
  デザートは別腹だといいんだけれども
  世界一おいしいチェリーパイがあるんだから
  甘党ならイチコロよ
  ボーイ
 
 という、お約束のセクシー定番ソングをやっていて、なんでもありのすごく楽しい作品になっているんですが、最初のリードシングルとして出されたのがChained to the Rhythm。彼女的にはこの曲が一番このアルバムのテーマソング的な位置づけだからこそ、最初にリリースされた曲だと思うんですけれども、ここがケイティー・ペリーの一番の立ち位置かなぁと思います。

  頭大丈夫なのかな私たち
  レンズ越しに世界を見ながら生きている
  型どおりの幸せにとらわれている
  飾り物のように
  すごく快適よね
  安全な幻想の中で暮らすって
  すごく快適よね
  面倒なことは目に入らないから
  寂しくないのかな
  非現実的な理想の世界で生きるって
  欲にはきりがないから満足できないのよね
  幸せな麻痺状態
  すごく快適よね
  安全な幻想の中で暮らすって
  すごく快適よね
  面倒なことは目に入らないから
  だから世界がバラ色に見える眼鏡をかけて
  パーティーをし続けるの
  音量を上げてよ
  あなたの好きな曲でしょ
  踊って踊って
  ゆがんだ音に合わせて踊ろう
  音量を上げてよ
  繰り返しかけ続けて
  ヨレヨレのゾンビみたいにフラフラになるまで
  そう自分は自由だと思い込んでる私たち
  飲んでね
  これは私のおごりだから
  みなこのリズムという鎖につながれているのよ
  リズムの虜リズムの虜


リアム・ギャラガー(Liam Gallagher)、悉くかつての発言の逆をやる

20170616

児島由紀子「3年ぶりに音楽界に復帰するリアム・ギャラガーについてです。過去3年はほとんどSNSで吠えるだけの人になりかけていたので、ファンとしても悲しかったんですけれども、ついに新曲を出してフルアルバムを最近作り終えたばかりみたいで、リリースされるのは今年の秋みたいですけれどもね。これからいろいろシングルをだすんでしょう。多分。」

渋谷陽一「お兄ちゃんに負けてられないですからね。」

児島「本人としてもライバル意識は微妙な所じゃないですか。」

渋谷「新しく発表されたリアムの音はどんな感じですか。」

児島「非常に今っぽいですよね。アデル(Adele)をプロデュースしたグレッグ・カースティン(Greg Kurstin)とか、トム・オデール(Tom Odell)を手掛けたDan Grech-Margueratとか、今風で売れっ子のプロデューサーを導入したのはさすがだなと思いました。」

渋谷「先行リード曲を聞いたんですけれども、もろオアシスというか、これ分かりやすすぎないかという気もしないでもなかったんですが。」

児島「リアムの声だからオアシスに聞こえるのかもしれませんが、曲自体はオアシスとは違うでしょう。」

渋谷「そうですか。僕は結構王道が来たなぁと。」

児島「つい最近、ロンドンでライブがありまして見て来たんですけれども、新曲6曲やったんですけれども、残りの曲はぜんぶオアシスの曲をやってました。」

渋谷「お兄ちゃんがそれをやるなら、俺だってみたいな。」

児島「オープニング曲からしてRock 'n' Roll Starですからね。次がMorning Glory。それで盛り上がるなと言う方が無理ですけれども、すごかったですよ。野郎どもが一緒に歌って。本当にオアシスのライブを見に行ったみたいでしたよ。」

渋谷「本人はお兄ちゃんがそういうライブをやると文句を言っていましたけれども。自分もそういう風になっちゃったんですね。」

児島「最近、以前自分が批判していたことをどんどんやるようになっていっているんですよね。以前は「俺はソロアルバムなんか絶対に作らない」って言っていたのに結局作ったし。オアシスの曲はやらないって言っていたのに、今はオアシスの曲だらけだし。」

渋谷「でもお客さんは大喜びなんですね。」

児島「もちろん大喜びですよ。行きの地下鉄の中から周りの人がDon't Look Back in Angerを歌い始めた途端、会場の最寄り駅につくまで歌いっぱなしなんですよ。」

渋谷「イギリス人面白いですね。」

児島「もううるさいって。帰りの地下鉄でもやっぱりそういう人たちに囲まれてしまいまして、もう本当にやめてくれっていう感じだったんですけれども。」

渋谷「でもオアシスは愛されているんですね。」

児島「本当にそうですよ。野郎どもには好かれているんですよね。リアムって。そういうカリスマ性がある所が人気がある理由なんでしょう。」

渋谷「彼自身の佇まいはどうでしたか。自信にあふれた感じでしたか。」

児島「相変わらずですよ。以前よりは少し動いてたかなって感じで。でもミック・ジャガー(Mick Jagger)みたくステージのスミからスミまで動いて煽るとか、そういうことができない人ですから。」

渋谷「相変わらず後ろに手を組んで、マイクに向かってっていう感じで。」

児島「そう。男はそんなチャラチャラしたことはしないんだっていう。」

渋谷「わかりました。じゃあ、フルアルバムを楽しみに待ちたいと思います。それではリアム・ギャラガーの注目の新曲を聞いてください。Wall Of Glass。」


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