音楽のおべんきょうφ(.. )メモメモ

NHK-FMWorld Rock Nowでの渋谷陽一氏の解説で面白かったものをメモしてゆきます。

今イギリスはプログレがきている説 ザ・フレーミング・リップス(The Flaming Lips)編

20170210

 前作から4年のインターバルで新作を発表したザ・フレーミング・リップス。今回は明快なコンセプトのある作品を作ってきました。毎回毎回このウェイン・コイン(Wayne Coyne)という人はコンセプトを作って、その中で戦略性をたててものをつくる人なんですけれども、今回は非常に明快で、それを自分自身でライナーノーツに書いているので、それを読みたいと思います。新作のタイトルが「Oczy Mlody」というタイトルなんですけれども、

  僕たちの新作がどんなサウンドかって聞かれたら、今の答えはシド・バレット(Syd Barrett)がエイサップ・ロッキー (ASAP Rocky) に出会って未来のおとぎ話の中に閉じ込められたみたいなサウンドかな。もちろんシド・バレットが誰なのか知っている人なら、エイサップ・ロッキー のことは知らないだろうし、そもそもエイサップ・ロッキー を知って気に入っているならシド・バレットのことはどうでもいいか、好きになることもないだろうけどね。

 って言ってライナーノーツが始まるんですけれども、今回はプログレですね。先週もボノボ(Bonobo)を紹介しましたけれども、すごく似ているんですよ。面白いなぁと思いました。ライナーノーツを見ると本人が書いているのかどうかはわからないんですけれどもカッコをして解説が書いてあるんですけれども、シド・バレットの後ろには「クラシックロックスペースオペラバンド。ピンク・フロイドの創設メンバー」と書いてあります。エイサップ・ロッキーの後ろには「最近話題の超絶サイケデリックラッパー」と解説がついております。両方知っております私としては面白いなぁと思いますし、この番組だと両方かかっているので、みなさんも強制的に両方を知ることになっていると思います。そうした意味ではこのザ・フレーミング・リップスの新作は、このライナーノーツが何を言っているのか、皆さんもよく理解できるのではないのかと思います。で、本当にボノボとよく似ていて、一曲目にいかにもプログレ風のインストが入っていて、そこから本編がはじまるという感じなんですけれども、このフレーミング・リップスもまったく同じような作りなんですよね。3分にも満たない短い曲なんですけれども、アルバムタイトルナンバーが一曲目に入っていて、実にプログレ感とインスト感がボノボとだぶってくるのがとっても面白いなぁと思いました。Oczy Mlody。



 2017年の新譜なんですけれども、1970年代で番組をやっているような気分になってきます。70年代を知らない皆さんはむしろ新鮮かもしれません。プログレ感がいきなりオープニングナンバーから満載なんですけれども、歌ものの楽曲もすごくそういう傾向の楽曲が多くて、まさにこのアルバムが明確なコンセプトのもとに作られていることが非常にクリアにわかります。There Should Be Unicorns。

 

 最後は思いっきり「The Dark Side of the Moon」的な手法が使われておりますけれども、本当にプログレがきてるんですね。続いてはThe Castleというナンバーを聞いていただこうと思います。ウェイン・コイン自身のライナーノーツで、気恥しくなるぐらいピュアな楽曲だと自分自身で表現しております。彼の親しい友人が自殺してしまった。その悲しみをそのまま曲にした、そういうナンバーでございます。The Castle。

 

  本当にプログレ感満載で、ボノボ、フレーミング・リップスと二週続けてこの手の音を紹介していると、イギリスでは本当にプログレがきてるのかなぁとそんな感じがします。
 

 この曲を聞いて僕が思ったのは、プログレッシブロックが発明したというか、発見した一つの様式というかアイディアというものは、時代を越えた商業的な普遍性というか、BGMとしての普遍性というか、そういうものを持っているんだなぁとそんな感じがして、これはずっと使えるアイディアなんだと思ったりもしたんですけれども、続いての曲も非常にプログレ感が満載です。歌ものなんですけれども、このメロディーと構造の有り様がすごく面白いなぁと思いました。Break Apart。

 

マック・ミラー(Mac Miller)に学ぶ、ドナルド・トランプ(Donald Trump)とは?

20170203

 マック・ミラーの四枚目のアルバムを紹介したいと思います。四枚目のアルバムといっても日本では最初に紹介される、ようやく日本でもリリースされることになった、マック・ミラーにとっての初の日本盤であります。「The Divine Feminine」というアルバムなんですけれども、デビューアルバムがいきなり全米ナンバーワンになり、本当にセンセーショナルなデビューをはたした白人のヒップホップアーティストです。その後、ナンバーワンの勢いをもって、常に評価も人気もトップを走っている、そういうアーティストなんですが、最近の洋楽事情で、そういうアーティストでもなかなか日本盤がでないのですが、ようやく今回リリースされることとなりました。それだけのキャリアがあり、レコードセールスもべらぼうにあって、話し出せばネタはたくさんあるんですが、あまりにも有名なネタを二つ紹介します。それは、「Donald Trump」という曲を彼は作ってヒットさせたわけでありますが、ドナルド・トランプみたくお金を儲けて、みたいな曲なんですけれども、ドナルド・トランプはこれを聞いて「このマック・ミラーはすごいぞ」と。「エミネムに続くのはこいつだ」と言っていて、なんだかんだでこの曲がヒットしたら「俺の名前を使うのならば印税をよこせ」と。期待通りのオチになっているんですけれども、そしてもともとアリアナ・グランデ(Ariana Grande)と一緒に曲を作っておりましたが、最近は付き合っていると。




そうした意味でのゴシップネタでも大変注目されているマック・ミラーでございます。もともとポップなアーティストですけれども、今回もすごく上質なポップソングとしてのウェルメイド感がすごく突出している作品になっていますけれども、その代表的な曲を聴いてください。Dang!。



 見事なポップチューンだと思います。マック・ミラーはいろいろな音楽的な技を持った人でありまして、今回のアルバムもいろいろな傾向の曲がありまして、どの曲を選ぶかでこのアーティストに対する印象が変わるんですけれども、このアルバムのラストにケンドリック・ラマー (Kendrick Lamar)がフィーチャリングされたナンバーがありまして、10分くらいのナンバーなんですけれども、一番最後にマック・ミラーのおばあちゃんが自分の家族の有り様みたいなことを延々しゃべるという大曲(God Is Fair, Sexy, Nasty)ですごいんですけれども、どの曲を選ぼうか迷ったんですけれども、今回のアルバムの中である意味音楽的には一番尖がった、彼自身の前衛性がよく出ている、でも洗練されたポップチューンとしても仕上がっている、そんな曲を選ばせていただきました。Soulmate。

 

U2に学ぶ今の国際情勢は「ヨシュア・トゥリー (The Joshua Tree)」 で予見されていた説

20170127

児島由紀子「今年30周年をむかえるU2の「ヨシュア・トゥリー (The Joshua Tree)」についてです。この30周年記念ツアーをイギリスとヨーロッパでやるんですね。その発表がありまして、7月と8月にかけて行われるんですけれども、チケットが数分で売り切れてしまったんですよ。」

渋谷陽一「すごいですね。「ヨシュア・トゥリー (The Joshua Tree)」は誰もが聞きたいですからね。」

児島「そうですよね。一般のファンもU2の代表作は何かっていったら「ヨシュア・トゥリー (The Joshua Tree)」ですからね。このアルバムの大ファンであるノエル・ギャラガー(Noel Gallagher)もツアーのサポートをするんですよ。ノエルも今月末にアルバムを出す予定なんですね。だからタイミング的にもちょうどよかったんでしょ。すごい贅沢なカップリングですよね。私もチケットをログインした状態ですでにダメだったんですよ。ロンドン公演。」

渋谷「ロンドン公演はやっぱり5万人とか6万人の会場なの?」

児島「そうです。トゥイッケナム・スタジアム(Twickenham Stadium)で、普段はクリケットの試合とかをやっている所です。ここで行われるクリケットの試合に、よくミック・ジャガー(Mick Jagger)がきてたりするんです。で、今回このアルバムを再検証することにしたのは、ジ・エッジ(The Edge)が最近コメントをしていたんですけれども、グローバルな大変動があって、右翼勢力が盛り上がって、基本的人権が危機にさらされていて、今の時代をすごく予見していたアルバムだということで、それに気づいたから、いま改めてやる価値があると思ったらしいんですね。」

渋谷「やっぱり今の社会状況に対する危機感が強いんですね。」

児島「すごくありますよね。新作を作っていたらしいんですけれども、ドナルド・トランプ(Donald Trump)がアメリカの大統領選で勝ったりと、今の世界情勢がまるっきり変わってしまったので、もう一回ゼロから作り直すそうです。ほとんど出来上がっていたらしいんですけれども、曲が今急に変わった時代と合わないっていうんですね。」

渋谷「やっぱり時代とどう向き合うかということは、彼らにとってはすごく重要なことだし、だからこそ「ヨシュア・トゥリー (The Joshua Tree)」をもういっぺんやろうと、そういう思いになったんですね。それでは「ヨシュア・トゥリー (The Joshua Tree)」から、オープニングはこの曲で始まるのでしょうけれども、聞いていただこうと思います。Where the Streets Have No Name。」

  
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