音楽のおべんきょうφ(.. )メモメモ

NHK-FMWorld Rock Nowでの渋谷陽一氏の解説で面白かったものをメモしてゆきます。

エド・シーラン(Ed Sheeran)に学ぶ、最近のミュージシャンは自分がなぜ表現をするのか、みんなに何を伝えたいのかということを分かりやすい言葉で表現をするスタイルが一般的である説

20170310

 エド・シーランの「÷」を聞いていただこうと思います。たった二枚のアルバムで世界を制服してしまった、最近ほとんどCDが売れないこの状況の中で全世界で2000万枚。本当に新人としてこれだけ成功をおさめて、まだ25歳の若さながら頂点に立ってしまったアーティストであります。それだけに彼自身これからどうしていくのか、セカンドアルバムを作る時にすごく悩んだというドキュメンタリーを僕は見た事がありますけれども、「たいていセカンドアルバムで落ちちゃうんだよね。だからそうならないようなセカンドアルバムを作らなきゃ」って。でもその危惧はまさに危惧で終わって、大成功を収めてしまったんですけれども、だからこそ今度のアルバムというのは彼の中でプレッシャーがあったと思います。結論からいうと素晴らしい作品になっております。一曲目と二曲目を聞くんですけれども、今のポップアーティストというのは明らかにヒップホップの影響を受けていて、自分がどんな大衆的でポップな音楽だとしても、自分がなぜそれをやるのか、そしてそれをやることのリアルとは何なのか、そしてみんなに何を伝えたいのかというのを、本当に日常的に開かれた言葉で表現するというスタイルが、すごく当たり前になってきております。それが今回のエド・シーランの歌の中でもものすごくクリアになっております。一曲目はEraserというアルバムオープニングナンバーなんですけれども、ここでこのアルバムがどういうアルバムなのかということを、ある意味ヒップホップ的なサウンドも取り入れながら表現されております。

  小さな街の中で生まれたというあの感覚を忘れてしまった僕
  主が住まう家で歌を覚えてでも9歳でやめてしまった
  こうして賞をもらえるようになった今忘れている
  乗らざるをえなかった波のこととか
  遊んだ道の石畳とか
  おかげで冴えない毎日だった
  あの頃の僕の人生にたっぷりあった苦悩のせいだ
  友達も家族も人をうらやんでばかり
  誇りをもっていいはずなのに世の中がはむかってくるとこの時ばかりに僕はいきいきとして
  悪魔が誘いをかけてくる日々を意気揚々と乗り越えようとする
  前は思っていたんだ
  自分の曲を持って世界をツアーすることよりいいことなんてありえないって
  完璧な人生という絵柄を探し求めていたんだけれども
  多分絵を描いた人間が間違えたんだと思う
  お金はあらゆる悪につながる道
  名声は地獄だ
  築き上げてきた人間関係も心もそれが壊してしまう
  だけど誰も見たがらない
  そんな人がしんみりしている所なんて
  なぜなら夢を実現させて楽しくやっているはずの人だから
  分かってほしいReverend Run気取りで説教しているわけではないんだ
  お願いだから失望しないで
  こうなってしまった僕を
  12歳の時に14号線を走りながら父親と話した話がある
  こういう夢を追いかけるしかないと僕に教えてくれたんだ
  父さんこうしてみんなの前で演奏するようになったよ
  みんなが僕を知っている
  ボロボロの小さなギター
  いつも同じジーンズ
  ウェンブリー・スタジアム(Wembley Stadium)の群集24万人
  僕は成長したかもしれないね
  ダミアンが自慢に思ってくれたらいいけど
  そして次の世代へときらめきは伝わっていく
  世界は憎しみにあふれているかもしれない
  でもどんどん消していこう
  なんとかして
  自分でもよくわかっているんだ
  僕みたいな男を没落させるいくつかの物事を
  そういいながらまたほしくなるわけだけれども
  辛さを忘れるためにもう一つ
  僕は一人で平気だから
  このままここにいるよ
  君のその愛情深い両腕は雨の日用にとっておいて
  僕は僕なりの痛み消し慰めを見出すさ
  ようこそ新しいショーへ  
  知ってると思うけれどもしばらくご無沙汰していたんだ
  これから僕がどこへ向かうのかそれは誰にも分らない 
  僕の心は変わらないまま
  ようこそ新しいショーへ
  知ってると思うけれどもしばらくご無沙汰していたんだ
  これから僕がどこへ向かうかそれは誰にも分らない
  僕は僕なりの痛み消し慰めを見出すさ

 という、まさに今現在自分が何を考え、どういう立場にいて、そしてこのアルバムをどういう気持ちで作ったのか、何をみんなに伝えたいのかということを本当に赤裸々に歌っているわけですね。そしてこの後にCastle on the Hillという、リードナンバーとして聞いていらっしゃる方もいると思いますが、この歌から自分の幼少時代をテーマにした、自分の生い立ちを反映したようなビデオクリップが印象的ですけれども、曲につながっていきます。

  6歳の時に足を折ってしまった
  兄貴はその友達から逃げようとしていたんだ
  転げ落ちながら山肌の草の甘い香りを味わったっけ
  子どもだった僕戻りたいよ
  自分の気持ちに気が付いてそのまま傷ついていたあの頃に
  友達を作ったり失ったりしながらも過ごしてきた年月
  うねるように輝く草原なんてもう長い事見ていない
  僕は大人になってしまったんだ
  だけど待ちきれない故郷を訪ねるのは
  今行くよ時速90マイルで
  田舎道を飛ばして
  口ずさむTiny Dancer
  懐かしいなあの頃の気持ち
  リアルに感じる
  あの丘の上に建つ城の向こうに沈む太陽を見ていた時のこと
  服を売ると出ていった友達が一人
  一人は海辺で働いている
  子どもは二人いるのに一人暮らしというやつがいたり
  兄貴が過剰摂取とやらをやらかしたそんなやつがたり
  はやくも二人目のカミさんがいるやつもいる
  ギリギリ生きているやつもいるけれども
  そういう人たちが僕を育てるんだ
  だから楽しみだよ故郷を訪ねるのが
  今行くよ時速90マイルで
  田舎道を飛ばして 
  答えなんか知らなかったけれども
  懐かしいなあの頃の気持ち
  リアルに感じる
  あの丘の上に建つ城の向こうに沈む太陽を見ていた時のこと 

 完璧ですよね。この二曲で驚きました。みんなにも驚いてもらおうと思います。Eraser。



 Castle on the Hill。


 いっぱりかけたい曲はあるんですけれども、今回は彼の珍しいメッセージソングをかけたいと思います。What Do I Know?という曲です。

  お立ち台にする木箱はないんだけれども神様は僕にくれたんだ
  ステージとギターと歌を
  父さんから言われたよ
  政治と宗教と他人のもめ事には首を突っ込むな
  僕は自分で絵を描こう
  舞台は自分で作るさ
  僕に子どもができたらきっとどういう意味か分かってくれると思う
  僕は伝えにいくから
  家族から受け継いだものを
  つまりは愛と理解と前向きな生き方
  人はこの世界を丸ごと変えられるのかもしれないんだよ
  ピアノとベースとギターがあれば
  あとはビートにのって飛んでいく
  僕なんか若造で一人芝居をやってるだけだし
  大卒の資格もないけれども神様はわかっている
  愛は世界を変えられる一瞬にして
  でも僕に何が分かる
  愛は世界を変えられる一瞬にして
  でも僕に何が分かる
  革命が近づいているあと一分だ
  行進してくる人々の姿が見える
  今日あの街を
  僕らはみんな愛と憎しみでできていて
  その両方がカミソリの刃の上でバランスをとっている
  人はこの世界を丸ごと変えられるかもしれないんだよ
  ピアノとベースとギターがあれば
  あとはビートにのって飛んでいく
  僕なんか若造で一人芝居をやってるだけだし
  大卒の資格もないけれども神様はわかっている
  みんなの話題は指数関数の伸びとか株式市場の崩壊とか自分達の履歴書とか
  その中で僕はじっとしている
  自分が書いた曲を抱えて
  愛があれば一瞬で世界は変わるといいながら
  とは言え僕に何が分かる

  
 ベースとピアノとギターがあれば世界を変えられるという、すごくストレートなメッセージの曲を聴いていただきました。  

ケンドリック・ラマー (Kendrick Lamar)、カマシ・ワシントン(Kamasi Washington)、フライング・ロータス(Flying Lotus)の音の印象は、サンダーキャット(Thundercat)の音であった説

20170303 

中村明美「サンダーキャットというアーティストをご紹介します。最近西海岸で革命的ともいえるような音楽が多く生まれてきていると思うのですが、例えばヒップホップではケンドリック・ラマー (Kendrick Lamar)とか、ジャズではカマシ・ワシントン(Kamasi Washington)、エレクトリックシーンならばフライング・ロータス(Flying Lotus)とかこれまでなかったような音楽を取り入れながらどんどん前進している、画期的な音楽シーンが各ジャンルにあるんですが、このサンダーキャットというアーティストはこの三人と仕事をしていて、コラボレーションをしています。もともとは音楽一家に生まれていて、すごく楽器も何でも弾けて、ジャンルもいろいろなものがこなせるということで、R&Bからソウルからエレクトリックからメタルまでやってしまうというすごく器用な面があるので、そういうことも生かされて、こういういろいろなジャンルの人たちと仕事をしているんだと思います。彼の作った最新作のすばらしいところは、そういういろいろなジャンルというものを自分ひとりでやってしまっている所で、このアルバムはR&Bもあるし、エレクトリックもあるし、ジャズフュージョンもあるけれども、少しずつそれが異端である。超メジャーというわけではないのですが、カッティングエッジというか、すごくクールなバージョンをやっているのが彼の音楽なんですけれども、この音楽の聴きどころといいますか良いところは、ケンドリック・ラマーだとかファレル・ウィリアムス(Pharrell Williams)とか、彼がこれまで一緒にやってきた優秀なアーティストがこのアルバムに参加しているという所と、ケニー・ロギンス(Kenny Loggins)とかマイケル・マクドナルド(Michael McDonald)みたいなアーティストとも一緒にコラボレーションをして、そういうものをかっこよくしてしまえる才能があるというか、そこが面白いところだと思います。最近は、カニエ・ウェスト(Kanye West)から始まったと思いますが、ビヨンセ(Beyonce)なども最近の若いインディーロックバンドなど才能ある人達とコラボレーションをしながら音楽を前に進めてきたようなところがあるので、彼もその一端にいるということで、注目していただければいいと思います。」

渋谷陽一「ジャケットを見たんですけれども、すごく笑えるジャケットで、水から目だけボコッと河童みたいに顔を出しているというもので、きっとこの人面白い人なんだろうなぁと。これだけいろいろな人と合うということは、音楽的なこともさることながら、キャラが親しみやすいんだろうなぁと思ったりしたんですけれどもね。」

中村「そうでしょうね。そういうこともあっていろいろな人とコラボレーションができると。」

渋谷「それでもサンダーキャットを聞いてください。Where I’m Going。」



渋谷「今回のアルバムはわりと歌ものというか、彼自身が歌っているんですけれども、そういう方向性にアルバムのコンセプトはふられているんですけれども、でもやっぱりベースを聞きたいですよね。超絶ベース聞いてください。Uh Uh。」



渋谷「今回のアルバムの特徴的なのは、一曲一曲が短い。全部で24曲入っているんですけれども、それでも十分な世界が表現されている所を聞いてください。3AM。」



渋谷「本当にこの作品はジャンルもいろいろ超越していて、そして一曲の短さとか構成とか、ありとあらゆるものに冒険、そして実験が試みられております。そうした意味でいろいろなジャンルを超越して不思議な世界に行っているこの曲が一番象徴的だと思うんですけれども、アルバムのクロージングナンバーでマック・ミラー(Mac Miller)がフューチャーされたナンバーです。Hi。」



渋谷「サンダーキャットがどういうアーティストとやっていたのかを中村さんに紹介していただきましたけれども、ケンドリック・ラマーもカマシ・ワシントンもフライング・ロータスも音の印象はこのサンダーキャットのベースの印象だったんだなぁと。どのアーティストの作品にもめちゃくちゃクリアにサンダーキャットのベースの刻印がおされていて、これほどキャラの立ったベースはすごいし、今のモダンな非常にボーダレスなブラックミュージックの一つのテイストを作っているのがこのサンダーキャットなんだと。よくいろいろな音楽的なジャンルがクロスオーバーをして、ロックとかジャズとかソウルとかそういうような区分けだけでは語れないどんどんそういうポップミュージックが作られていっているという話をしたことがありますけれども、そうした意味でこのサンダーキャットの存在はすごく象徴的な感じがします。今回このアルバムにはマイケル・マクドナルドとかケニー・ロギンスとかそういう彼にとってはちょっと遠い存在のアーティストがフューチャーされていてビックリしたんですけれども、僕は一種の洒落なのかなぁと、マイケル・マクドナルドって僕は苦手だなぁと、きっとサンダーキャットもそんなに好きではないんだろうなぁと思っていたら、資料を読むと、「僕はマイケル・マクドナルドみたいなミュージシャンになりたんだ。彼こそが僕の目標なんだ。」と書いてあって、「えっ、マジ・・・。」と。私的にはせっかくのドゥービー・ブラザーズ (The Doobie Brothers) を破壊した男マイケル・マクドナルド。AORにしてしまった男マイケル・マクドナルドで敵キャラだったんですけれども、もっと広く心を大きくもって、通常のジャンルなど考えずに音楽の面白さや楽しさを見ているサンダーキャットにとっては、自分のアーティストの目標がマイケル・マクドナルド。なんかすごく私的には反省を促されました。要するに音楽というのは従来的な思い込みからどんどん離れていろいろな形に変化していくんだなぁと、それをサンダーキャットに教わる渋谷陽一、そんなところでございました。」

 参考)、ドゥービー・ブラザーズ (The Doobie Brothers) はマイケル・マクドナルド(Michael McDonald)が加入してドゥービー・ブラザーズではなくなった説


ジーザス&メリー・チェイン(The Jesus and Mary Chain)に学ぶ、再結成バンドはどのような音作りをすべきなのか

20170224

児島由紀子「なんと19年ぶりのニューアルバムを出すジーザス&メリー・チェインについてです。2007年に再結成していたんですね。過去数年、「Psychocandy」の30周年記念ツアーということで、ライブはちょくちょくやっていたんです。ジム・リード(Jim Reid)とウィリアム・リード(William Reid)のリード兄弟が久々に会って、いろいろ曲も生まれたらしいんですけれども、だったら新しいアルバムを作ってしまおうということで作ってしまったそうです。」
渋谷陽一「すごいですね19年ぶりって。でも最近こにパターンって驚かなくなりましたよね。」

児島「そう。だから最後に残っているのはレッド・ツェッペリン(Led Zeppelin)とザ・スミス (The Smiths) でしょう。絶対再結成しないだろうというか。」

渋谷「でもレッド・ツェッペリンは一瞬やったからね。」

児島「でもあれは再結成っていうんですかね。」

渋谷「まあ一応再結成で。でも、19年ぶりのアルバムというか、久しぶりの再結成でも熱く迎えてくれるファンがいるっていうことはすばらしいですね。」

児島「いるんですよ、未だに。っていうか、ジーザス&メリー・チェインって80年代以降のUSオルタナティブ勢に非常に影響を与えているんですよ。だから、それ以降もUKで人気が落ち着いてきたころでも、アメリカの方では人気があったんですね。ツアーもアメリカできちんとやっていましたし。」

渋谷「彼らのわかりやすいロックというのは、時代的な普遍性を持っていますよね。」

児島「シューゲイザーの、いわゆるノイズ、音響系の元祖じゃないですか。だから、日本でも根強い人気があるバンドじゃないですか。」

渋谷「ある一定の世代にとっては、刷り込まれた音ですからね。」

児島「そう。今度の新曲を聞いた時でも、「あのジザメリだ」って。ギターフィードバックを聞いた瞬間に思ってしまいましたけれども。」

渋谷「僕もちらっときいたんですけれども、こういう言い方も何なんですけれども、新しいことを変にやろうとしないで、自分達の得意技をきっちりとおさえていこうという姿勢が、逆に成功していますよね。」

児島「そうですな。元祖なんですから。元祖なんだから今更他人の思惑を気にしないで、我が道を行くでいいんですよ。」

渋谷「そうですね。その正しさが本当によく出ていますね。」

児島「らしいですよね。自分達がどういう受け入れられ方をしているのかよくわかっている音ですよね。」

渋谷「そうですよ。再結成ライブに行って新曲を聞かされた時のガッカリ感っていうのはないですからね。」

児島「そう。」

渋谷「やっぱり、昔の曲をしっかりやってくれる、新曲でも昔の世界観をちゃんと再現してくれる。これが基本ですよね。」

児島「そうですよ。新曲は1、2曲で十分ですよ。私いつもおもうんですよ。再結成バンドのライブに行くと。」

渋谷「そうですよ、ポール・マッカートニー(Paul McCartney)だって一曲目はCan't Buy Me Loveですからね。」

児島「さすが、わかってらっしゃる。」

渋谷「この新作も受け入れられるんでしょうし、熱いファンに支えられて、そしてその影響下にある若いバンドも、若いファンもついてくるのかもしれないですね。」

児島「今の、UKだけではなくUSオルタナティブの連中でも、ジザメリを知ってますからね。」

渋谷「本人達も気持ちがいいのかもしれないですね。」

児島「そう思いますよ。ただ、相変わらずこの年になっても兄弟喧嘩は続いているらしくて、新曲は2007年くらいに書き始めたのに、アルバムはやっと今頃できたみたいな。」

渋谷「それもジザメリって所でいいんじゃないですか。」

児島「元祖兄弟喧嘩バンド。これが元祖じゃないな。元祖はザ・キンクス (The Kinks) のデイヴィス兄弟ですね。」

渋谷「そうですね。それもかなり深刻でしたけれどもね。それでは、そのジーザス&メリー・チェインの正しい新曲を聞いていただきましょう。Amputation。」



 

ダーティー・プロジェクターズ(Dirty Projectors)、失恋によってサウンドが変わる

20170217 

中村明美「ダーティー・プロジェクターズの新作についてです。ダーティー・プロジェクターズは2000年代以降にデビューした、ブルックリン発のすごく重要なバンドの一つなんですけれども、インディーバンドでありながらそのサウンドがすごく知的で、ポップミュージックやトラディショナルな音楽を核にしながらも、その中でいかにオルタナなサウンドを提示していけるのかという事に挑戦をしている、個人的にはすごく大好きなバンドです。新しい音楽の在り方を常に発表してきているバンドだと思うのですが、現在のアメリカのメジャーシーンもそういう新しいサウンドをいかに取り入れていくのかということに興味がある人達が多いわけで、例えばカニエ・ウェスト(Kanye West)なんかは早速ダーティー・プロジェクターズのサウンドを取り入れて、一緒にポール・マッカートニー(Paul McCartney)やリアーナ(Rihanna)との共演の時に、ダーティー・プロジェクターズを使用していると、そういう重要なインディーバンドのひとつなんです。彼が今回新しくアルバムを作ったのですが、その作品の重要なところは、ダーティー・プロジェクターズといっても常にメンバーが変わっておりまして、その中心人物のデイヴ・ロングストレス(Dave Longstreth)を中心にずっとやってきたのですが、その時々のアルバムに合わせてメンバーを変えてきたバンドなんですが、ここ最近は数枚すごく大成功していて、それによってアルバムのサウンドも少し固定したかなぁという感じだったのですが、その要であったハーモニーの女性と、実は彼は付き合っておりまして、それで別れてしまったという問題が発生したことによって、サウンドを変えなければいけないという、彼女と一緒にハーモニーを作れなくなってしまったわけですから、バンドを変えなければならないというそういう所に立たされて、ダーティー・プロジェクターズは常にサウンドを変えてきたことが売りではあったのですが、彼としてはせっかく音が固まってきたところでどうしようと。しかも失恋してしまったので、アルバムを作るところか曲なんか作れないやという心境だったらしいんですけれども、自分が書いていた曲をヴァンパイア・ウィークエンド(Vampire Weekend)のエズラ・クーニグ(Ezra Koenig)とか優秀なプロデューサーのリック・ルービン (Rick Rubin)なんかに聞かせてみたら、君はいつも音が変わっていることが特徴だったじゃないかと言われて、そうかと思って思い直してアルバムにしようと思って作り直したアルバムです。そのために新たなメンバーを起用して、失恋のアルバムをいうのは逆に言うとすごくトラディショナルなソングライティングのテーマだと思うのですが、ダーティー・プロジェクターズらしく、その悲しみというものを彼ららしい新しいサウンドで打ち出した、すばらしい傑作が出来たと個人的には思っています。本人にインタビューをしたのですが、一人になってしまったので、ライブをいったいどうやればいいのかと分からないけれども、メンバーを集めるのはすごくエキサイトしているという風に言っておりました。」

渋谷陽一「音を聞いて、違うバンドになったじゃんと最初は思ったのですが、なるほどそういう事だったのかと。でもこれはこれですごくいいと思いますね。」

中村「そうですね。サウンド的にも、悲しみというものをどういう形でいろいろな方法で表せるのかという事を実験したと言っていたので、そういう意味で楽しいアルバムだと思います。」

渋谷「それでは注目のダーティー・プロジェクターズのナンバーを聞いてください。Keep Your Name。」
 

ペダル・スティール界のジミヘン、ロバート・ランドルフ(Robert Randolph)

20170217 

 ロバート・ランドルフの新作を紹介したいと思います。この人の場合はこのコピーしかないんですけれども「ペダル・スティール界のジミヘン」。この人の場合はスティールギターという、我々はすぐにハワイアンを連想してしまうんですけれども、そういう世界観からものすごくイメージを拡大して、新しい自分自身のスティールギターワールドを構築した、すばらしいギタリストです。彼の3年ぶりの新作「Got Soul」という、もともとブルースやソウルをGot Soulと言わなくてももともと持っている、そういうアーティストですけれども、より一層今回はそういうキャラクターを前面に打ち出した新作を発表してくれました。まずはその中からLovesick。

 多くの人がロバート・ランドルフに求めるものが表現された究極の3分間。ただレトロスペクティブな感じだけではなくて、今回のロバート・ランドルフ&ザ・ファミリー・バンド のベースはなんとロバート・グラスパー・ エクスペリメント(Robert Glasper Experiment)のデリック・ホッジ(Derrick Hodge)。だから非常にコンテンポラリーなジャズとか、あるいはインディー系のテイストも含みつつ、このようにルーツに向かってGot Soulしているわけでございます。Got Soulなナンバーをもう一曲聞いてください。Be the Change。

 

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