20161213 ONGAKU NOMADで鹿野淳氏です。
2016年アメリカで、ビルボードの発表によると、もっともCDを売ったのはモーツァルトらしいです。モーツァルトの没後225年にちなんで10月28日に200枚組BOXセットが発売されました。この「モーツァルト225」がこれまでで合計125万枚アメリカで売れたそうです。今年のビルボードの発表によると、CDのセールス枚数は去年から11.6%減少してしまって5000万枚になったそうです。年々下がっていますから過去最低になるんですけれども、それとともにストリーミングの方は成長しているんですけれども。モーツァルトが一位になった背景にはこういうことがあるって書いてあります。クラシックファンの人たちはCD、昔はレコードですけれども、で音楽を買い求める高年齢層が多いということ。そして、このBOXセットがプレゼントとして最適なものであったと、形として残るものとしてこのBOXセットを渡すと、相手の方がよろこんでくれるとか、そういうことがあったのではないのかと言われています。そして方やイギリス。イギリスでは11月28日の週のレコードの売り上げが約3億4800万円だったんですが、デジタルの売上が3億450万円で、約4500万円くらいデジタルよりもレコードの方が売上がこの週は勝ったと。これはザ・ローリング・ストーンズ (The Rolling Stones) の「Blue & Lonesome」のバイナルが出たったいうことなのかな。イギリスでは前年の同期のレコード売上がわずか1億470万円でデジタルが6億3800万円だったので、それと比べるとだいぶ違っているということが言われているんですけれども、これは一時的なものだったという話なんですけれども、ローリング・ストーンズの「Blue & Lonesome」もレコードが先に出ているんですよ。だから、日本では伝わりにくいんですけれども、もはやCDというものが一番曖昧なものになっている。音楽を本当に好きで物にしたい人はレコードを買う、そうではない人はサブスクリプションで聞く。ダウンロードも減少しているという状況なんですよね。そういう中でイギリスでもレコードというものが人にプレゼントとして渡すものとして、かなり重要なものになっていたりとか、音楽ファンが音楽ファンにあげるものとしてイギリスではCDよりはレコードの方が有効なもので、そういうのも全部含めて、このクリスマス前シーズンにレコードが売れたんじゃないのかなという分析があるらしいです。日本でも音楽を物として所有したい、アーティストもCDを売るにあたって物としてみんなが欲しいものを頑張って作ろうと。今、時の人である星野源なんかも、何年も前からシングル一枚でも、シングル3、4分の曲にこれだけの情報量のDVDとかプレゼントのようなライナーノーツのようなものをいれるのかというくらいがんばっているんですけれども、アメリカでもイギリスでもやはりCD、レコードというものも音楽を物として考えるという人たちがいて、そういう人たちがちゃんと音楽を守っているんだということがこの情報で分かったような気がします。