音楽のおべんきょうφ(.. )メモメモ

NHK-FMWorld Rock Nowでの渋谷陽一氏の解説で面白かったものをメモしてゆきます。

アメリカのインディーロックバンドの間で、細野晴臣ブームが起こる

20190210

中村明美「ヴァンパイア・ウィークエンド(Vampire Weekend)の新作が完成しました。ブルックリンシーンを代表する彼らの6年ぶりの新作になりまして、このバンドにとってはこの6年間にいろいろあったので、非常に注目度の高いアルバムです。まず、6年もあいてしまったということが興味深いことですが、この間に創作の中心的メンバーであるロスタム・バトマングリ(Rostam Batmanglij)が脱退をしてしまいました。さらに、エズラ・クーニグ(Ezra Koenig)がブルックリンからLAに引っ越しをしてきて、クインシー・ジョーンズ(Quincy Jones)の娘さんのラシダ・ジョーンズ(Rashida Jones)との間に息子さんが産まれるという、人生においても大きな転換期を迎えて、大学のプレスリーボーイ的なのが売りだった彼らですが、大人になってこれからどんなアルバムを作るのだろうという所でこの作品が完成しました。まず、アルバムのタイトルは「花嫁の父(Father Of The Bride)」という、彼ら的にはスティーヴ・マーティン(Steve Martin)のコメディー映画が好きだったというのと、よく考えたらこのタイトルは自分の人生にも関係がある深い意味があるなぁという二面性が気に入ってタイトルにしたそうです。さっそく2曲を発表していて、これがなかなか興味深い曲なんですけれども、まず1曲目の2021という曲は、なんと日本の細野晴臣さんのサンプルが使われています。彼らがYoutubeを見ていて、すごくいいメロディーだなぁと思って、それをループさせて、そこに空間があるのでそこに自分でメロディーを書いていったという興味深い曲です。最近、アメリカのインディーのバンド達は何故か細野さんが大好きみたいで、いろいろカバーをしてみたりとそういうブームがあります。もう一曲はHarmony Hallという、6年ぶりにヴァンパイア・ウィークエンドが返ってきたぞと堂々と告げるような、非常にヴァンパイア・ウィークエンドらしい曲ながらも、アコギの音の鳴り方ですとか、いままでになかった音を鳴らしていて、そこが非常に興味深い所であります。実はこの曲にはメンバーだったロスタムも参加しているという、大きな変化というよりは新しい風になっているというそういう響きの曲で、歌詞の方もこんな風に生きたくない、でも死にたくないんだという、前作で彼らはある意味「死」というものに向き合った作品を作ったので、それの延長線上にあるなぁという、新しいサウンドを鳴らしながらも、前作と大きく変わりすぎていないという所で、6年ぶりなので挨拶を告げるようないいサウンドになっています。彼らが言っていたのは、今作は58分もある2枚組で、2枚組を作るということは彼らのキャリアにとって意味のあることなんですけれども、彼らいわく、とわいえ、この6年の間にドレーク (Drake)みたいな人が60分以上のアルバムを軽々出してしまう時代が来たので、そういう時代に彼らの音がどのように響くのか、今までのUSインディーでは彼らは最もポップなサウンドを鳴らしていたバンドなので、そういう意味でもすごく期待の上がる作品になります。」

渋谷陽一「アコースティックでオーガニックな響き、彼らが持っているすごくエキセントリックでインディーでオルタナなにおいを残しつつも、この立て付けっていうのはなかなかだなぁという感じがしました。アルバム全体もこんな感じなんですかね。」

中村「そうですね。今回はメンバーが抜けたということで、いろいろな人達が参加して作ったアルバムになっているようなので、いろいろな響きがあり、これまでにない壮大なサウンドが入っていると自分でも言っていましたので、楽しみです。」

渋谷「ヴァンパイア・ウィークエンドの注目の新作、Harmony Hall。」



渋谷「中村さんが言ってました通り、このヴァンパイア・ウィークエンドはすごく細野さんっぽいですよね。いろいろな所で言われているのでご存知の方も多いと思いますが、アメリカの意識的なオルタナアーティストや、インディーなアーティストの間で、70年代の日本のロック、細野さんやティン・パン・アレイ(Tin Pan Alley)とかそういうものに対してすごく評価が高いというか、興味を持たれているというか、そういうアナログレコードが高額で取引されているというか、そういう傾向があるようでございます。当時は、大きな日本の歌謡シーンの中ではものすごく異端ではあったんですけれども、ただ、例えばはっぴぃえんどなどはずっと影響を与え続け、聞かれ続けているわけで、それが世界的な形で影響が広がっているということは、日本の音楽ファンにとってはうれしいし、こういう傾向はより一層広がっていくんじゃないかなと思います。」

 細野晴臣をサンプリングした2021です。




 サンプリング元の細野晴臣の曲です。



率直な物言いが素敵な野口オロノさん

20190203

 スーパーオーガニズム(SUPERORGANISM)のライブに行ってきましたけれども、ボーカルは野口オロノという19歳の日本人の女の子です。彼女は日本人ですのでMCも日本語でやるんですけれども、すごく率直な物言いをする女子でございまして、私が行った会場は洋楽親父がいっぱいいる会場だったので、「なんか今日すっごく親父率高くない、なんか親父っぽい」みたいな事を言われて、明らかにその会場で最年長の私は笑うしかなかったんです。全員が立って見ているんですけれども、腰を下ろしてっていうパフォーマンスをお客さんに要求するときに、「そこで立ってる奴さぁ、くっそダサいからやめてくれない」っていう、一事が万事そういう調子で、オロノ最高って思いました。ライブが終わった後はSNSで絶賛の嵐でした。It's All Good。


ロック親父の心の支え、グレタ・ヴァン・フリート(Greta Van Fleet)

20190203

 グレタ・ヴァン・フリートはロック親父にとって、今の時代にロックを聴くいいわけと言っては何ですけれども、根拠を与えてくれたバンドとしてすごく熱く支持されていますよね。Safari Song。



ヒップホップと女性の2019年グラミー賞

20190127

中村明美「グラミー賞の見どころをご紹介したいと思います。今年は見どころがたくさんあるんですね。まず、一番ノミネートされたのがケンドリック・ラマー(Kendrick Lamar)の8部門。ケンドリック・ラマーは新作出したっけなぁと思ったんですけれども、これはブラック・パンサーのサントラ「Black Panther: The Album」で8部門もノミネートされたんです。続いては、ドレイク(Drake)。ストリーミングの王と言われるくらいのスーパースターなんですが、7部門でノミネートされ、さらにカーディ・B( Cardi B)、チャイルディッシュ・ガンビーノ(Childish Gambino)などが続くんですけれども、上位を占めるのがヒップホップ勢が多いという感じなのですね。続いての特徴としては、ケイシー・マスグレイヴス (Kacey Musgraves)とか、ジャネール・モネイ(Janelle Monae)とか、去年評価が高かった女性アーティストが続きます。実は、女性アーティストでノミネーションが多かったのは、ブランディ・カーライル(Brandi Carlile)という、誰だっていう知る人ぞ知るアーティストなのです。彼女はフォークのアーティストで、正統派というか、保守的なグラミー賞がいかにも好きなアーティストです。今年のグラミー賞の特徴としては、ヒップホップ勢が多いということと、女性アーティストのノミネートが非常に目立つということで、とりわけ主要4部門、アルバム賞、レコード賞、楽曲賞、新人賞で去年はたった4人の女性しかノミネートされていなかったのですが、今回は各部門で女性が半分かそれ以上占めるという感じで、新人賞に関しては8組中6組が女性という結果になっております。このようにヒップホップと女性が多いというのは、ここ数年、例えばビヨンセ(Beyonce)の「Lemonade」ですとか、ケンドリック・ラマーの「DAMN.」のような、評価も高くて売上も高かったというアルバムが何作も出たにもかかわらず、ヒップホップとかブラック系のアーティストは長年無視されてきた、評価があまり高くないということが、この二作が全く4部門をとれなかったということで、非常に批判が高まりまして、ましては去年はケンドリック・ラマーがグラミー賞では何も取れなかったのに、ピューリッツァー賞をという、グラミー賞よりさらに上の賞をとってしまったということがすごく批判になりまして、それが今回の改革につながりました。女性アーティストに関しても、去年は主要部門4人しかノミネートされなくて差別だろうという声があがったところ、グラミー賞の会長が「女性はもっとがんばれ」と言ってしまったものですから大炎上してしまったということで、今年は大きく改革をしようという姿勢がみられて、とりわけいままで5部門しかなかった所を8枠にして、これまでノミネートしてこなかったアーティストをノミネートしていこうという姿勢があったため、今回このように大きな変化がありました。ただし、実際には誰が受賞するのかによって体制が変わったのかどうかが分るということで、実際に誰が受賞するのか、今のところ全く分からないという感じです。例えば、テイラー・スウィフト(Taylor Swift)はこれまでアルバム賞を2回もとっているにもかかわらず、今回は1部門しかノミネートされなかったんですね。テイラー・スウィフトの今回の作品はこれまでやったことがなかったようなヒップホップ的なサウンドに挑戦してみたんですけれども、そういうことをやると一向にノミネートされないということがあって、結局変わったのか、変わっていないのか、結果を見てみるまでわからないということになっています。例えば、ドレイクのストリーミングというのは、これからの音楽産業を背負っていくということを考えると、ドレイクにあげるということも考えられますし、または今まで誰も知らなかった正統派のブランディ・カーライルがくることがあるかもしれないし、またはその間をとって、評価は高いけれどもそれほど売れていないケイシー・マスグレイヴスとか、ジャネール・モネイのようなアーティストがとるかもしれないと、結果次第でグラミー賞が何を重要視しているのかが分るということになります。」

渋谷陽一「グラミー賞がだれかを評価するのではなくて、社会がグラミー賞をどう評価するのかということが問われているという、グラミー賞がちゃんとしているのかどうかが問題という。」

中村「そうなんですよ。グラミー賞が過去を向いていることは事実なんですけれども、せめて今を見てくれと、最初から設定が低くなっている所が面白い所です。」

渋谷「女性アーティストとしては最多ノミネートで、ある意味保守的なものの象徴と言われているブランディ・カーライル。どんな音か聞いてみたいと思います。the joke。」



渋谷「まさにグラミー好みと言われれば、まさにそんな感じですよね。選考スタッフも、自分の思い、そして世間からどう思われるのか、いろいろな思いを持ちながら選考をがんばっているのではないのでしょうか。」

ブルース・スプリングスティーン(Bruce Springsteen)の曲、すべて創作だった

20190106

 「スプリングスティーン・オン・ブロードウェイ(Springsteen on Broadway)」の全体を映像で見てすばらしいなぁと思ったのは、全体にユーモアにあふれた、笑いが絶えないライブなんですよね。ステージに出てきて、「俺はこのシーンのトップにいて、いろいろな事をやって、いろいろな物語を書いてきて、いろいろな人生を歌ってきたけれども、全部俺の体験したことじゃないんだけれどもね。上手いだろう、俺。曲書くのが。」みたいなことを言うわけです。それで、お客さんが大爆笑するという、一事が万事そういう調子なんです。「学校に行くのが嫌いじゃないとロックミュージシャンにはなれないんだよ。不満がないとダメなんだよ。学校行く奴は絶対ダメだよ。」みたいなことを言いながらお客さんとやりあう。


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