音楽のおべんきょうφ(.. )メモメモ

NHK-FMWorld Rock Nowでの渋谷陽一氏の解説で面白かったものをメモしてゆきます。

ジョニー・マー(Johnny Marr)に学ぶ、イギリスのホームレス問題

20180112

児島由紀子「今年の春にソロの新作を出すジョニー・マーについてです。去年の年末に新曲を出したんですね。The Priestという曲で、マンチェスター出身の女優でマキシン・ピーク(Maxine Peake) という人がナレーションをやっているんですけれども、この詩はエディンバラのホームレスの少年が書いた詩らしくて。ジョニー・マーとマキシン・ピークは同じマンチェスター出身で。このマキシン・ピークは「The Theory of Everything」という映画に出たこともある、もともとは舞台女優だったんですけれどもね。以前からジョニー・マーとは知り合いだったみたいで、ジョニー・マー自身もいつかコラボしてみたいって言っていたんですね。なので、この曲は今年の春出る新作に入るとは限らないですけれども、なんとなく方向性をサジェスチョンしていますよね。かなり意欲的で変わったものになるんじゃなかという気はしますよね。北部イングランドはすごくホームレスが多いんですよね。マンチェスターもそうですけれども。マンチェスターはイギリスで一番治安の悪い地域がたくさんあるところですから。昔からすごく気性の荒い土地だったんですけれども、最近すごいんですよ。」

渋谷陽一「では、ここで語られてる詩もそういった現実を反映している詩なんですか。」

児島「そうそう。まさにそういう現実を反映しているんですよ。」

渋谷「ある意味ヒップホップの世界に近い感じですね。」

児島「グライムってご存知でしょうけれども、こういう感じなんですよ、まさに。だから、これはジョニー・マー流のグライムだと思いますよ。」

渋谷「ある意味すごくモダンなポップミュージックのスタイルになっているんですね。」

児島「そうなんですよ。本当にこの人は才能ありますよね。」

渋谷「この新曲を聞くと、今度の作品はかなり期待できそうですよね。」

児島「非常に新しい切り口が満載になりそうで、非常に楽しみです。」

渋谷「ジョニー・マーの意欲作、マキシン・ピークとともに演奏しているナンバーを聞いてください。The Priest。」


ニール・ヤング(Neil Young)vsドナルド・トランプ(Donald Trump)大統領

20180112

 ニール・ヤングの「The Visitor」という作品が発表されました。まさに、異邦人=Vistorとしての自分。皆さんご存知の通り彼はカナダ人ですけれども、アメリカという国でずっと歌い続けているスタンスの中で、敢えて「The Visitor」というタイトルの作品を作りました。そしてそのアルバムのテーマというのは、今現在のアメリカ。そして、トランプ政権の在り方というものに正面から向き合った作品です。まずアルバムの一曲目、Already Greatという、すでにアメリカはグレイトであるという、トランプ大統領のもういっぺんアメリカを偉大にするというメッセージへ対抗する曲です。


  
  ちなみに俺はカナダ人でアメリカが大好きだ
  こんな生き方が大好きだ
  行動の自由言論の自由が
  すでに偉大だ
  お前はすでに偉大なんだ
  約束の地であり救いの手だ
  壁はいらない
  憎しはいらない
  ファシストのアメリカはいらない
  すでに偉大だ
  お前はすでに偉大なんだ
  約束の地であり救いの手だ

 あの高齢にしてこのエネルギー。毎回ニール・ヤングの作品を聞くたびに思いますけれども、続いての曲は、

  変わっていく世界について考えて来た
  夢のかけらに馴染もうとしない
  ただ納得しようと意味を解き明かそうとしていた

 という歌詞をもつナンバーでございます。Neil Young and Promise of the RealでAlmost Always。



 Already GreatもAlmost Alwaysもニール・ヤングの王道ナンバーでしたけれども、ニール・ヤングはそこに留まることなくどんどん独自の世界に進んでいるのはみなさんご存知だと思いますが、次のChildren of Destinyというタイトルもストレートな曲なんですが、この曲ではもうフォークだとかロックだとかゴスペルとかそういう領域ではなくて、なんか違う所に行っていしまった、かといってアバンギャルドではなくてものすごくポップなナンバーなんですよね。なんかクリスマスソングみたいなそんな印象を持ったんですけれども、すごい曲だと思います。歌詞もいっさいのぶれた解釈を許さないものすごくストレートな歌詞で、

  信じるもののために立ち上がれ
  権力に屈するな
  大地を守れ
  海を守れ
  運命の子ども達のために
  お前と俺の子ども達
  もしも善が負けて悪がのさばるならば
  幸福が悲しみになって平和が消えてしまったら
  お前はどうするつもりだ
  なんと言うつもりだ
  そんな新しい日にどう行動するんだ
  信じるもののために立ち上がれ
  権力に屈するな
  民主主義のやり方を守るんだ
  子ども達が自由でいられるように
  運命の子ども達


Eminem(エミネム)を選ぶか?ドナルド・トランプ(Donald Trump)大統領を選ぶか?

20171208

中村明美「エミネムが2013年ぶりの4年ぶりの新作を完成させたという話題です。「Revival」という作品なんですけれども、この新作がこれまでの作品よりもより楽しみだなと思える点がいくつかありまして、一つはこの新作を発表する前にテレビに出演していきなりフリースタイルを披露したのですが、そこでなんとトランプ大統領を思いっきり批判したんですね。その中でファンに対して、俺を選ぶか、トランプを選ぶかどっちかにしろとハッキリと言ったところで、翌日のメジャーなメディアは大絶賛というか、大騒ぎしていたんですけれども、その理由というのはそこまでトランプを思いっきり批判するアーティストはなかなかいないということと、エミネムはケンドリック・ラマー (Kendrick Lamar)みたいなアーティストとは違って、彼のファンはトランプ支持者が多いような区域に多いので、彼が言ったことが実際にファンに届くというか、トランプ支持者に本当に響くのではないかということで、そういう意味では彼のキャリアも危険になるんですけれども、そこまでアーティスト生命をかけてはっきり言ったということにすごく意味があるということでメジャーなメディアは大絶賛していました。そこがこれまでのエミネムとは違うなというモードが現れていた一つの理由です。もう一つは、最初に発表したシングルがいきなりビヨンセ(Beyonce)との共演だったという。ビヨンセくらいの大スターとエミネムという大スターが二人で共演するなんて誰も思っていなかったので、それだけでもビックリしたんですけれども、その内容も俺は神じゃないんだと。アルバムを作るたびにみんなに絶賛されるけれども、俺は神じゃないからすごく苦労しているという、自分の内面をすごく語った作品で、そういう作品だからこそ理解してくれるのはビヨンセのような人だろうなと思って、彼女とは長年共演したかったそうなんですけれども、今回これがピッタリだろうと思って、彼女に聞いてもらって気に入ってもらって、共演してもらえたといういきさつがあります。これまでとは違ったモードで、大人というか、彼なりに成長した作品が期待できるのではないかと思います。プロデューサーもリック・ルービン (Rick Rubin)とドクター・ドレー(Dr. Dre)ということで、大御所二人と仕事をしていて、怒りといっても、エミネムはこれまでも怒りを表現してきたアーティストですが、もっと大きな世界に対する怒り、政治に対する怒りみたいなものがこの作品で期待できるのではないかなぁということで、すごく楽しみです。」

渋谷陽一「本当に楽しみですね。アルバム全体を聞けるのが。心待ちにしたいと思います。それではエミネムがビヨンセをフューチャリングしたナンバーを聞いてください。Walk on Water。」



ゲイリー・ニューマン(Gary Numan)、第二の黄金期を迎える

20171208

 ゲイリー・ニューマンの新作「Savage (Songs from a Broken World)」を紹介します。日本のロックファンにとっては「ゲイリー・ニューマンってまだやっているんだ」っていうイメージがあるかもしれませんが、このアルバムは夏くらいに発表されまして、なんとイギリスのチャートの2位。つまり、ゲイリー・ニューマンは今復活していて、ある意味第二のゴールデン・エイジを迎えているアーティストなんです。1970年代後半から1980年代初頭にかけてTubeway Armyとかゲイリー・ニューマンのソロとして出すアルバム出すアルバムナンバーワンになり、まさに時代の寵児として活躍し、でもその後のかなり長い低迷期を経て、日本のロックファンにとっては過去の人というイメージがついたのかもしれませんけれども、実はゲイリー・ニューマンはここにきて、それこそナイン・インチ・ネイルズ(Nine Inch Nails)など彼の影響をうけた多くのアーティストのリスペクトを含めて、そして彼自身の音楽がより一層力強くなって再評価があり、そしてこのアルバムは堂々初登場2位という、まさに今旬なアーティストとしてもういっぺん返り咲いた彼の作品を聞いていこうと思います。このアルバムのリードシングルになっている My Name Is Ruinという曲なんですが、

  俺の名前は破滅
  俺の名前は復讐
  俺の名前は誰でもないもの
  誰でもないものが呼んでいる
  俺の名前は破滅
  俺の名前は傷心
  俺の名前は孤独
  俺の悲しみは暗闇
  俺の名前は破滅
  俺の名前は邪悪
  俺の名前は戦いの歌
  君に歌おう新しい戦いを
  俺の名前は破滅
  俺の名前は崩壊
  俺の名前は恥知らず
  君の世界を破り続けよう

 というナンバーです。My Name Is Ruin。


 かっこいいんですよ。私ももう少しレトロなものなのかと思ったのですが、バリバリの今の音です。すごいと思います。もう一曲Ghost Nationという曲を聞くんですけれども、これもすごいです。彼はこのGhost Nationを自分の体にタトゥーとして入れてるそうで、彼にとっては今現在を象徴する、そして彼自身の体に刻みたいというくらいの曲なのかもしれません。これもすばらしい音像のナンバーです。Ghost Nation。


モリッシー(Morrissey)の歌詞は深くて文学的であるが英語はシンプルでわかりやすい説

20171208

 モリッシーでI Wish You Lonely。


 モリッシーらしいタイトルのナンバーですけれども、彼の三年ぶりのニューアルバム「Low in High School」から聞いていただきました。ジャケットを見ると、モリッシーTシャツを着た少年が反君主制と書かれたプラカードを持って、斧をもって立っているという。モリッシーはやっぱりモリッシーです。I Wish You Lonely、君が孤独でありますようにというタイトルからしてモリッシーらしいんですけれども、この曲もやはりアンチ君主制を基本としたメッセージ、そして愛にドラッグに安直に依存する人間の有り様に対しての抜本的な批判が、いまのポップなメロディーで歌われております。続いてはSpent the Day in Bedという、これまたモリッシーらしいタイトルですが、この曲がリードシングルになっております。日本語訳はまで出ていないんですけれども、これは私のような最低の英語力でもわかります。

  Spent the day in bed
  Very happy I did, yes

 という。とにかく家で寝ていることが最高だぜ。一日そうやって暮らそうぜという。

  I spend the day in bed
  I’m not my type, but
  I love my bed

 俺はそんなタイプじゃないし自分自身でもこんなのは好きじゃないんだけれども、やっぱりベッドって最高だよねと。

  I recommend that you

 これを君にも勧めるぜ、という。そして、サビの部分が、

  No bus 
  No boss
  No rain 
  No train
  No highway

 バスもいらきゃ、上司もいらなきゃ、電車もいらなきゃ、ハイウェイもいらなきゃ、何もいらないぜというのが延々と続きます。そして、とにかくSpent the Day in Bedとそういうメッセージのナンバーです。Spent the Day in Bed。



 モリッシーというのは言うまでもなく非常に文学的な才能が高く、その歌詞の詩的な完成度の高さは誰もが認めるところですけれども、それと同時に、聞いていただければわかりますけれども、ものすごくわかりやすいメロディーを持ったポップなサウンドを作るそうした意味でもすごく才能に長けた人で、それにのる言葉というのはある意味深くて文学的なんだけれども、すごくシンプルで分かりやすいというそういう本当にすぐれた能力を持ったソングライターなわけでございますけれども、I Wish You Lonely、これは誰でもわかる英語でございます。Spent the Day in Bedも非常にわかりやすい英語でございます。続いてはWhen You Open Your Legs。これも中学生でも十分わかります。君が股を開くときという曲でございまして、すごくシンプルなメッセージといえばシンプルなメッセージで、モリッシーらしい歌詞というえばモリッシーらしい歌詞なのですが、でもこれは同時に政治的な意味合いみたいなものを持っていて、君が足を開くとき政治的な困難さはみんな忘れ去れてしまうという、読み込めば読み込むほど意味の深い楽曲であります。でも、エキゾチックなメロディーラインとポップなサウンドというのは、普通に聞くと楽しいなぁという曲になっております。つまり、モリッシーワールド大爆発のナンバーを聞いてください。When You Open Your Legs。


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