ラジオFMのメモ

NHK-FMWorld Rock Nowでの渋谷陽一氏の解説で面白かったものをメモしてゆきます。

マーヴィン・ゲイ(Marvin Gaye)の「What's Going On」、「はつ恋の」になる

20110729 

 今では「What's Going On」と紹介されますが、発表当時は「愛の行方」と曲紹介されていました。この曲はラブ&ピースの本当に代表的なナンバーです。

  母さん、数え切れないほど涙に暮れているね
  兄さん、死んでいく人が多すぎる
  今ここで愛する気持ちを呼び起こす方法を探そう

  父さん、これ以上の戦争規模の拡大は必要ではないよ
  戦争は何の解決にもならない
  愛だけが憎しみを超えられるからさ
  今ここで相手を理解するための方法を見出そう

  デモ隊の群れと彼らが掲げるプラカード
  残忍なやり方で僕を罰したりしないでくれ
  僕に話しかけてくれれば状況が見えてくるはずさ

  何がどうなっているんだ?

  母さん、みんなが僕らを間違っていると言うけれども
  僕らの髪が長いということで僕らを批判する権利が彼らにはあるのかい
  今ここで相手を理解するための方法を見出そう

  何がどうなっているんだ?
  何がどうなっているんだ?
 
  同胞のブラザー達教えてくれよ
  同胞のシスター達教えてくれよ

  何がどうなっているんだ?



 cf.「What’s Going On」はベトナム戦争の非常に切実な反戦歌ですけれども、「What’s Going On」を「はつ恋の」にかえた「 はつ恋の ~What’s Going On~」という曲をみつけました。初恋の切ない気持ちを「What's Going On」のメロディーにあわせて歌った歌だそうです。



 海外の名曲をそのメッセージを抜いてメロディーと様式のみを受け入れるのは日本の伝統ですね。

 cf.ローリングストーン誌が選ぶ「歴代最高のアルバム」500選  2020年改訂版で、「What’s Going On」が1位になりました。どんどん評価が上がっているようです。


ブルース・スプリングスティーン(Bruce Springsteen)に学ぶ、ミュージシャンはどの曲がヒットするか理解してない説

20200719

 ブルース・スプリングスティーンでHungry Heart。


 すごい曲ですよね。スタッフがこのHungry Heartをシングルに選んだ時に、「なんでこの曲なの、全然これヒットしそうにないじゃない」ってブルース・スプリングスティーン本人は言ったそうです。本人は何も分かってないものなんですよね。

フジロックフェスティバルのニール・ヤング(Neil Young)伝説

20170818

渋谷陽一「ニール・ヤングで1991年の北米ツアーのHey Hey, My My。」



渋谷「どうですか、このギターの音。」

山口隆「1991年だから、グランジの人たちからの「ニール・ヤングすごい」という熱があがっているときですかね。」

渋谷「こんな音ギタリストとしてどうですか。」

山口「こういう人がいるからこそ、こういう音が安心して出せますよね。」

渋谷「滅茶苦茶だよね。この音。」

山口「ニール・ヤングのギターこそ最高ですよね。」

渋谷「そういう人は圧倒的に多いですけれどもね。ニール・ヤングがフジロックに出た時に、Like A Hurricaneを30分くらいやるんだよね。終わらない終わらない。15分くらいまではみんな興奮していたけれども、20分くらいになると心配になってきて、30分くらいになるとこれは延々とやるわけって。当然、彼の持ち時間ははるかに越えていて、トータルで2時間以上やったんじゃないかな。無茶苦茶な人ですよね。」

山口「やっぱり、でもこの人はすごいなって思いますよね。ニール・ヤングって日本に入ってきたときはどんな感じだったんですか。」

渋谷「やっぱり、クロスビー・スティルス・ナッシュ&ヤング(Crosby, Stills, Nash & Young)のニール・ヤングで、バッファロー・スプリングフィールド(Buffalo Springfield)のニール・ヤングだから、フォークの人だよね。そこから、「After The Gold Rush」「Harvest」でより一層ソロアーティストとして全体像が見えてきて、滅茶苦茶なロックミュージシャンという風になっていったのは、その後だよね。」

山口「「After The Gold Rush」はリアルタイムですか。」

渋谷「当然当然。」

山口「「After The Gold Rush」をリアルタイムで聞いてどう思いましたか。」

渋谷「最高でしょう。あれが出た時は絶賛の嵐ですよね。」

山口「やっぱりそうなんだ。」

渋谷「ニール・ヤングのTシャツ着てるじゃないですか。山口さんは。」

山口「今日は渋谷さんと会うと思って、ニール・ヤングのツアーTを着てきましたよ。」

California Dreamin'は冬の歌であった

20170127

 California Dreamin'は歌詞に対して誤解があるかもしれませんけれども、こういう歌です。

  茶色くなった木の葉
  灰色に曇った空
  冬のある日僕は散歩に出た
  ここがもしLAだったら
  陽ざしの中で楽しく過ごせただろうに
  こんな冬にカリフォルニアを夢見る僕
  出ていくなんてあの子に言うんじゃなかった
  侘しい冬の日に
  カリフォルニアを夢見る僕
  こんな冬の日に
  カリフォルニアを夢見る僕
  寂しい冬の日に
  カリフォルニアを夢見る僕

 ママス&パパス(The Mamas & the Papas)でCalifornia Dreamin'。

 

ドアーズ(The Doors)に学ぶ、ブルースはどのようにカバーすべきか?

20161028 

 ジョン・リー・フッカー (John Lee Hooker)の名作のカバーであります。

 

 ドアーズでCrawling King Snake。

 

 1960年代や70年代。ブルースのカバーというのは、ブルースの宗教性という名の重箱の中で、なかなか自由な表現をすることが難しかったわけですけれども、その中においてドアーズは自由な感じで、ある意味ブルースから距離をおいた形でブルースのカバーを実現していて、それはジム・モリソン(Jim Morrison)もさることながら、キーボードのレイ・マンザレク(Ray Manzarek)もすごく重要な役割を果たしているんだなぁと改めて思いました。ギターが鳴った瞬間にどうしてもブルースはブルースでしかないと、そういう世界に入っていってしまうんですけれども、本当に自由なカバーだなぁという感じがします。

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