音楽のおべんきょうφ(.. )メモメモ

NHK-FMWorld Rock Nowでの渋谷陽一氏の解説で面白かったものをメモしてゆきます。

スザンヌ・ヴェガ (Suzanne Vega)の6th「Songs in Red and Gray」について

world rock now 20011109

 スザンヌ・ヴェガの五年ぶりの新作からまずは一曲聞いてください。Penitent。


  一人でもあんなに自信満々で意気揚々としていたくせに今の私は地にも落ちた気分
  ここから辺りを見回してみる
  どんな選択肢が私にあるのかしら
  何が見つかったのか自分でも分からない
  許してねこんなに夢中になって
  こんなに弱くて
  そしてやさしくなくて
  それでいてやはり頑なで

 っていうPenitentでスザンヌ・ヴェガの新しいアルバムははじまるわけでございますけれども、これがいいんですよみなさん。五年ぶりの新作ということで、スザンヌ・ヴェガのストーリーを知っている人がどれだけいるのかわからないですけれども、LukaとかTom’s dinerねみたいなそういうイメージがあるのかもしれません。ニューウェーブフォークという表現があるのかどうかは知らないですけれども、レコード会社のたたき文句だと「オルタナティブフォーク界の才女」と書いてありますけれども、そういった形でキャリアをスタートしいくつかのヒットソングを出した後、ミッシェルフルームとのコラボレーションによってかなりアバンギャルドでアグレッシブな音楽世界を作りまして、ミッシェルフルームと結婚して子どもをもうけ、何年間か一緒に暮らしたんですけれども結局別れてしまって、それでいろいろあってじゃあもういっぺん自分の音に戻って作品活動をしようとして発表されたのが、この五年ぶりのアルバムであります。そういう背景をしってこの作品を聞くと結構きますよ。続いては(I'll Never Be) Your Maggie Mayという曲を聞くんですけれども、

  あなたのマギーメイに私はなれっこない
  あなたが愛して捨ててきた人に
  陽の光の中にあなたの顔をみてそして忘れようとする
  ベッドの中であたながみているもの私じゃないんでしょうね
  女ひとり男と別れとある世界が終わりを告げる
  あなたの顔は夢にもでてくるわ
  そこでは何もかも見た目とは違っていてあなたは今もって友達みたいに思えるの
  あなたはそういう人よ

 あなたのマギーメイにはなれないわっていう曲です。



スザンヌベガの代表曲も張っておきます。


ストーン・ゴッサード(Stone Gossard)に学ぶ巨大バンドのギターリストのソロ作が陥りやすいパターンとは?

world rock now 20011109

 ストーン・ゴッサードといってもすぐに分かる方はそんなに多くないしそんなに少なくもないのかもしれません。パールジャムのリードギターリストでもあるし、リーダーでもあるし、バンドのオーガナイザーでもあるし、実質的に彼自身もブラッド(Brad)という別のバンドを持ってたりしてそれなりにパールジャム以外の活動もやってりるわけでありますけれども、今回は自分自身の名前を看板にしたソロアルバムを発表いたしました。パールジャムの中でも当然楽曲を書いていますけれども、今回は自分でリードボーカルをとっての作品でございます。Bore Me。

 パールジャムのような巨大バンドのリーダーでありリードギターリストでありという人がこれまでソロ活動をやっていなくて突然出すと、非常にソロの場合は名前におんぶにだっこで趣味的に走ったり、自分自身の楽しみだけで作っていたり、あるいはヘンテコリンな自己顕示欲が爆発したりと悪いパターンもそれなりに多いんですけれども、この作品はみなさん聞いていただいてわかるようにいいですね。パールジャムのリードギターリストという看板を外して一人のストーン・ゴッサードというソロミュージシャンのデビューアルバムとして聞いてもかなりのものになってると思います。Unhand Me。


2001年の曲で気に入ったもの

Stephen Malkmus Jenny & the Ess-Dog
John Frusciante Going Inside
My Vitriol  Always Your Way
R.E.M. Imitation of Life
Sugar Ray  Answer The Phone
Jimmy Eat World Sweetness
White Stripes Dead Leaves
Death Cab For Cutie Why you'd Want To Live Here
CAKE Commissioning a symphony in C
Suzanne Vega Penitent
The Dandy Warhols Bohemian Like You
The Moldy Peaches - Lucky Number Nine
Basement Jaxx - Do Your Thing

ケリス (Kelis)に学ぶアメリカの黒人ミュージシャンがロックをやると先行的にイギリスで人気がでる理由

world rock now 20011019

 どちらかというとイギリス先行型で人気がでたケリスなんですが、今や世界のケリスでアメリカでも大変メジャーになり、そしてケリスをプロデュースしているのがティンバランドとともにアメリカではヒップホップソウル、リズム&ブルースシーンに圧倒的な力を持つネプチューンズ。彼らの出世のきっかけとなったのはケリスでして、その後、ベビーフェイスとか超大物も手がけるようになりました。ファーストアルバムが大成功して1年半のインターバルをもってセカンドアルバムが発表されました。まずは先行シングルナンバーを聞いてください。Young, Fresh n' New。

 このケリス。今聞いていただいたらわかるようにロックっぽいんですよね。ここがアメリカよりイギリスで人気がでた要因であります。アメリカの黒人ミュージシャンでロックっぽいテイストで音楽活動をするとなぜかアメリカでは受け入れられなくてイギリスの方で先行的に人気が出るというパターンが、古のジミヘン以来ずっとあるんです。なぜかといいますと、アメリカにおいて黒人音楽というのは一定の市場とイメージ戦略みたいなものがありまして、アメリカで黒人ミュージシャンが活動するとブラックミュージックというカテゴリーの中で抑え込められてその中でのアーティスト活動とマーケティング活動を強いられるわけです。そうするとちょっとそこから外れてくると、なんかヘンなのという扱いを受けてしまいまして、そこで思いっきりな活動ができない、そういうものに対してなんの偏見もないイギリスにおいてはいいものだと白人だろうと黒人だろうと積極的に評価してしまう。それで、古のジミヘンの時代からこの手のものはイギリスで先行的に受けるというそういう俎上があります。昔プリンスが言ってましたけれども、自分の血の中に何分の一かの黒人の血が入っているとそれはもう君のアイデンティティーはブラックミュージックなんだ、と断定されてしまうという傾向がアメリカではどうしてもあると。その辺でちょっと不利な戦いを強いられることがあるようですけれども、イギリス人はその点すごくオープンで、このケリスみたいなアーティストが受けるという傾向があるようでございます。ケリス自身もロックに対してすごく積極的に興味を持っていて、逆に言えばR&Bのシーンにおいてはやっぱりライブが弱いというのは彼女の危機感があって、ロックにまけているぞと。音楽的なクオリティーは別としてライブでのエキサイティングな展開は負けているところがあると思っていて、ロック的な要素もどんどん取り上げていこうとして、例えば、Young, Fresh n' Newはケリス自身の指名によってナインインチネイルズのトレントレズナーにリミックスをやってもらうというそういう展開があるらしくて、なかなかこの辺も積極的という感じがします。そしてこの辺の姿勢をよくあらわしたナンバーを続いて聞いていただこうと思います。ロックのスタンダードナンバーあのニルヴァーナのsmells like team spiritをカバーしているわけでございますけれども、このカバーが身も蓋もないというか、ロックミュージシャンがニルヴァーナを触るということは、そしてこのsmells like team spiritを触るということはかなりの決意と思い入れをもってやらないといけないんですけれども、ケリスは何にもありません。「かっこいいじゃんこの曲」という身も蓋もなさがいい面にも悪い面にもでています。



オジー・オズボーン (Ozzy Osbourne)はメタル界の異端児である説

world rock now 20011019

 オジーオズボーン6年ぶりの新作Down to Earth。1970年代、ブラックサバスのリードボーカリストとしてハードロックシーンに君臨して以来、もう30年間ハードロック、ヘビーメタル界の象徴としてその活躍が賞賛され人気を集めてきました。最近ではオズフェストのオーガナイザーとしてその存在を若いロックファンも誰もが知るところとそのようなポジションを作ったオジーオズボーン。6年ぶりの新作はこれです。Can You Hear Them?。


 6年ぶりということを全く感じさせない、全く同じオジーオズボーンの世界なんですけれども、こう同じことをやってるなら6年じゃなくさっさとアルバムを出せばいいじゃないかと思うのがいけない。この世界を作るのは大変なようでございまして、伊藤政則先生のライナーノーツを読むと、プロデューサーをとっかえひっかえミュージシャンもとっかえひっかえスタッフもとっかえひっかえという感じで、非常に時間をかけていろいろな試行錯誤をへて作り上げたのがこの作品ということのようです。確かに、オジーオズボーンが歌い始めちゃうと大抵の曲が似たようになってしまうので、我々としてはオジーオズボーンがオジーオズボーン的な世界をまた形成していると思ってしまうんですけれども、オケだけ聞いていると今風のニューメタル的な色づけがされておりまして、彼は彼なりに時代にあわせそして自分なりのイノベーションをやっているような感じがします。しかし、基本的な彼の文体というのは変わらないですし、この人の場合変えようもないですよね。そこが言うまでもなく魅力なわけであります。本当にハードロックシーンは時代の変遷が激しく、それこそ70年代から自分のペースで延々やり続け、自分のスタイルを変えないままこれだけの人気を保っているというのは、本当にオジーオズボーンただ一人だけだと思います。そして改めて彼のボーカルを聞くと、ヘビーロックシーン、ヘビーメタルシーンでは彼自身も異端であるということがよく分かりますね。やっぱり、ヘビーロック、ヘビーメタルシーンではでシャウトしないボーカリストは大変大変珍しいですよね。最近のニューメタルとか呼ばれるものはもう歌わない、シャウトしっぱなしみたいなのが延々続いているボーカルスタイルが出来上がっているわけで、このオジーオズボーンの歌っているボーカルスタイルはかなり異色ですよね。しかし、何がしかヘビーでメタルな感じをこのボーカルが与えているというのは、やっぱり唯一無比、オジーオズボーンならでわの文体といえるかもしれません。より一層オジーオズボーンの本来の懐かしいテイストが十二分に感じられ、伊藤政則が涙なしには聞けないというナンバーを聞いていただきたいと思います。イントロからのドラマチックな展開がいまどきやるかという感じであります。Gets Me Through。



 オジーオズボーンはステージアクションも特に激しく動き回ったりするんじゃなくて、ノソノソと着ぐるみのように動き回るという、あれも独特ですよね。冷静に考えてみればこれほど異端なヘビーロックのボーカリストはいない、そういう感じなのに、今象徴として君臨しているという点がすごく面白いなぁと改めて思いました。

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