world rock now 20001117
今回の物語(Holy Wood (In the Shadow of the Valley of Death))では世の中を象徴する二つのメタファーを作り出したんだ。一つはデスバレーでこれは恵まれないもの、望まれないものを象徴している。もう一つはHoly Woodでこれはより輝かしい完璧な世界を象徴している。真実の世界ではないんだけど輝かしく見える世界をね。そしてこのHoly Woodは僕、または僕が演じている主人公の登場からはじまるんだ。これはものすごく自叙伝的なアルバムで、そこでまず幼かった主人公はより輝かしい世界に受け入れられたがっている。でもその輝かしい世界は彼を受け入れない。彼をほしがっていないんだ。彼は人生において一生懸命努力し、その世界に受け入れられるように努力するんだけれども、そこに到達した時に周囲にいる人々が彼をデスバレーに陥れた人だっていうことに彼自身が気づくんだよ。そのデスバレーとは彼が必要とされていない気持ちにされていた原因そのものなんだ。それに気づいた彼は憎しみに駆られ、革命を起すことを決意する。彼はHoly Woodを破壊し覆そうと考えるわけだ。それでも最終的にHoly Woodは彼の革命をとりあげ、商品にして売るんだ。Mechanical Animalsの登場人物のオメガはそれを象徴しているんだよ。オメガはHoly Woodが主人公を捕まえて魂を売った時点のキャラクターで、だからあのアルバムの半分は空虚感に満ちていて、残りの半分は魂を売られたことの苦しみで満ちている。すでに時は遅いんだけれども、彼はそこで自分が敵だと思って戦い続けてきたものに自分自身がなってしまったことに気づくんだ。それをとめるためには自分を破壊することしかないと考え、それがつまりAntichrist Superstarで表現されていることなんだよ。そうやって三つの物語が繋がっているのさ。
これはポップミュージックの構造をすごくよく表現していて見事だなぁと思いました。