音楽のおべんきょうφ(.. )メモメモ

NHK-FMWorld Rock Nowでの渋谷陽一氏の解説で面白かったものをメモしてゆきます。

マリリン・マンソン (Marilyn Manson)三部作(2nd「Antichrist Superstar」、3rd「Mechanical Animals」

world rock now 20001117

 今回の物語(Holy Wood (In the Shadow of the Valley of Death))では世の中を象徴する二つのメタファーを作り出したんだ。一つはデスバレーでこれは恵まれないもの、望まれないものを象徴している。もう一つはHoly Woodでこれはより輝かしい完璧な世界を象徴している。真実の世界ではないんだけど輝かしく見える世界をね。そしてこのHoly Woodは僕、または僕が演じている主人公の登場からはじまるんだ。これはものすごく自叙伝的なアルバムで、そこでまず幼かった主人公はより輝かしい世界に受け入れられたがっている。でもその輝かしい世界は彼を受け入れない。彼をほしがっていないんだ。彼は人生において一生懸命努力し、その世界に受け入れられるように努力するんだけれども、そこに到達した時に周囲にいる人々が彼をデスバレーに陥れた人だっていうことに彼自身が気づくんだよ。そのデスバレーとは彼が必要とされていない気持ちにされていた原因そのものなんだ。それに気づいた彼は憎しみに駆られ、革命を起すことを決意する。彼はHoly Woodを破壊し覆そうと考えるわけだ。それでも最終的にHoly Woodは彼の革命をとりあげ、商品にして売るんだ。Mechanical Animalsの登場人物のオメガはそれを象徴しているんだよ。オメガはHoly Woodが主人公を捕まえて魂を売った時点のキャラクターで、だからあのアルバムの半分は空虚感に満ちていて、残りの半分は魂を売られたことの苦しみで満ちている。すでに時は遅いんだけれども、彼はそこで自分が敵だと思って戦い続けてきたものに自分自身がなってしまったことに気づくんだ。それをとめるためには自分を破壊することしかないと考え、それがつまりAntichrist Superstarで表現されていることなんだよ。そうやって三つの物語が繋がっているのさ。

 これはポップミュージックの構造をすごくよく表現していて見事だなぁと思いました。

ルーク・モーリー(Luke Morley)のアル・グリーン(Al Green)「Lovin' You」のカバーから学ぶカバーのあり方について

world rock now 20010112

伊藤政則「イギリスのミュージシャンがいかにソウルが好きかという話ですよ。ルークモーリーというのは昨年解散したサンダーというバンドのギタリストで、サンダーというのはステージでザ・フーとかいろいろなカバーをやるんですけれども、ルークモーリーはアルグリーンとかそういうソウルが好きなんですよ。これなんかはアルグリーンに捧げた曲で、もろアルグリーンっぽいんですけれども、イギリス人は非常にソウルが好きじゃないですか。最近そういうソウルをロックと結びつけてやる人が少なくなっていてるんです。そんな中でルークモーリーは非常に古典的な手法ではありますけれども、もろにやってます。すいませんが本当に真剣に聞いてくださいね。集中してお願いしますよ。ルークモーリーでラビングユー。」

伊藤氏拍手

渋谷陽一「そうか、まんまじゃない。これ批評性なさすぎだよ。伊藤。」

伊藤「イギリスのミュージシャンがいかにソウルが好きか。これはアルグリーンに捧げた曲ですから、わざとアルグリーンぽくしているわけ。」

渋谷「そこに何か解釈とかがないと。時代性がないと。」

伊藤「ぜんぜん人の話聞いてないね。」

大貫憲章「渋谷君、曲が流れ出した途端いきなり笑ったもんな。ダハハハハハ。なにこれって。」

渋谷「嫌いじゃないけど、これまんまだし。伊藤さんが風呂でなごんで聞いているっているそういう絵しか浮かばないんですよ。」

伊藤「渋谷君はおいとこう!!かつて英国にはフランキーミラーだとか黒人のソウルやブルースをまんまとはいわないけれど、継承しているシンガーとかギタリストとかがいるわけですね。」

渋谷「ブルーアイドソウルとして一つのジャンルが確立されていましたよ。」

伊藤「最近はそれをダイレクトに表現する人が減ってきていて。」

大貫「今はうまい歌い手が少ないもん。」

伊藤「そういう意味で、ブリティッシュロックの引き出しを持っている人の中にはソウルやブルース、まあこのルークのソロアルバムの中にもさまざまなブルースっぽいものも入っていたりするんだけれども、そういう引き出しを・・・。」

大貫「なんていうアルバム?」

伊藤「El Gringo Retro という。」

大貫「まさにレトロという・・・。」

伊藤「レトロというのはスペインでレコーディングしたときに、どういう音楽やっているのって聞かれたときに、エルグリーングレトロだと。外国から来た方が今のトレンドの音楽ではないソウルやブルースみたいなものをやった・・・。」

大貫「だからエルグリーングレトロというの。」

伊藤「らしいよ。」

伊藤「だから俺はかつての60年代70年代初頭のブリティッシュロックシーンにはソウルやブルースを非常にうまい形で継承してつなげていった人達がいたと。そういう意味でルークモーリーもそういう牙城に迫ろうと思ってはいないんだろうけど、自分の好きなアルグリーンを・・・。」

大貫「いないの?」

渋谷「方向性はだそうというね。」

伊藤「自然体なんだよ。だからそういう音楽がイギリスにあってもいいじゃないかと。サンダーみたなバンドはイギリスやヨーロッパに活動する場所がないという理由で解散したんだよ。すごく悲しい理由だと思うの。」

大貫「メタルとかのイメージを持たれすぎたんじゃないの。」

伊藤「サンダーっていうバンド名がそうだったからなのかもしれないね。でも、音楽がどんどんビジネスに進んでいくのもいいんだけど、片側にはアートや伝統美があってもいいと思うんだよ。そのバランスが上手くとれないでバンドが次々解散していくのは悲しいなと。」

渋谷「ただ、いまのヒップホップやミックスチャーというのはもっとそれを批評的に、トレンドなもので取り入れているんだけれども、黒人音楽の影響というのはものすごく強いけれども、これはまんまだからなぁ。」

伊藤「だからわからない人だね。アルグリーンのトリビュートだって。まんまじゃなかったらトリビュートにならないじゃん。」

渋谷「トリビュートをしながら、そこに時代性を感じさせるところに本当の・・・。」

伊藤「時代性感じさせるでしょう。古いなぁという。」

渋谷「開き直ってどうすんだよ。」

伊藤政則はAC/DCの語り部であった説

world rock now 20010112

伊藤政則「2001年、今年の真面目な傾向として20世紀のレガシーを。」

大貫憲章「レガシーって最近よく使うね。」

伊藤「好きなんだよ。」

渋谷陽一「大仰な前フリはいいんだよ。何がでてくるの。」

伊藤「AC/DC!!19年ぶりにやってくるんだよ!!」

渋谷「結局AC/DCかよ。」

伊藤「ロックの基本はミニマニストなんだよ。つまりどんな複雑なことをやっていても・・・。」

渋谷「ミニマニスト。反復ですよね。」

伊藤「アンガスヤングが言ってることは、どんな音楽でも一つ一つわけていけばシンプルでダイレクトな音になると。厚化粧したような音楽がすばらしいと世の中で言っている人がいるけれども、基本がわかっていないと。若いやつに言いたいと。」

大貫「厚化粧した音楽ってどんな音楽なの?」

伊藤「厚化粧した音楽・・・。考えとく。」

伊藤「19年ぶりの日本公演の初日というのが、これを歌ってるボンスコットの21回目の命日なんだ。ということで一応選曲してるんだけどね。ボンスコット知ってる?」

大貫「知ってますよ。初代のボーカルじゃないですか。」

伊藤「じゃあ聞いてください。Highway To Hell 。」



渋谷「AC/DCでハイウエイトーキル。」

伊藤「ハイウエイトーキルじゃない。ヘルだよ。渋谷もう少し真剣に自分の番組やってよ。」

大貫「心はいってないよな。」

伊藤「ぜんぜんはいってない。もうちらっとながめてハイウエイトーキル。信じられない。恐ろしいよ。」

渋谷「だけど、期待通りの選曲でありがとうございました。」

伊藤「19年ぶりの来日だよ。19年間日本に来てなかったわけじゃない。その間にいろいろ音楽シーンもかわっていったけど、AC/DCだけはかわっていないよ。多分この世の中で変わっていないものはAC/DCとStatus Quoだと思う。Motorheadもいれて。」

大貫「変わってないかもね。」

伊藤「この三つは変わってないよ。」

大貫「変わりようがないんだよな。」

伊藤「違う。国宝は変わっちゃいけないんだよ。」

大貫「国宝かよ。」

渋谷「だけど、AC/DCの変わらなさといのは、その中でも一番国際性と商品性が保たれているのがすごいですね。いまだに超大物じゃん。」

伊藤「だってね、ヨーロッパやアメリカなんてAC/DCがコンサートやるといまだに何万人のところでずっとやっているのよ。」

大貫「日本はどこですか?」

伊藤「横浜アリーナ」

伊藤「だからね。いいこといってたよヨーロッパのファン。三代くらいの家族で来ていて、お父さんからお兄ちゃん、お兄ちゃんから妹へと語り継がれていく。日本は語り部がいなかったんだよ。19年間AC/DCを語る人が。」

大貫「あなたがいたじゃないですか。」

伊藤「俺だけなんだよ。大貫さんは語り部は?」

大貫「いや、AC/DCは時々思い出したりすることはあるけど・・・。」

オフスプリング(The Offspring)に学ぶ90年代に継承されたパンクのスタイルとは?

world rock now 20001117

 オフスプリングでDammit, I Changed Again。



 オフスプリング。新作も相変わらずのエネルギッシュなサウンドを聞かしてくれております。この手の音はオフスプリング、一番日本でも成功したのがグリーンデイ、あとランシド。この手の音楽のスタイルというのは本当に一つのジャンルとして確立しちゃいましたよね。数年前から完全に強固な市場として確立していて、日本においてもメロコア、ハードコア系の音は強い市場性をもっています。もともとパンク・ニューウェーブというのはアメリカ、イギリスにおいて台頭して、どちらかというとイギリスにおいて花開いた、彼らが影響を受けているクラッシュにしろセックスピストルズにしろいろいろなバンドはイギリス系のものが多いんですけれども、結果90年代から21世紀にかけてのアメリカ、しかもカリフォルニアを中心に出来上がっているというところが面白いなぁと。そして、英語がいけたら日本の一連のメロコアバンドというのもそれなりの国際性を持っているんじゃないかなぁと思うくらい、クオリティーも市場性も高い状況になっているものなかなか面白いなぁという感想をもっております。もう一曲聞いてください。One Fine Day。



 いにしえのイギリスのパンクロックシーンにおいてこの手の非常にシンプルで勢いのあるかつ、ある意味で構造の非常に単純な、「オイオイオイ」というフレージングとかオイパンクといわれておりましてね、今でもこういう表現はちゃんとありまして流通しておりますけれども、どちらかというとパンクロックシーンではあまり尊敬されていない音楽スタイルで、どちらかというと洗練されたストラングラーズとか後期クラッシュとかそういうものが評価が高かったんですけれども、それが90年代によみがえって伝統的に引き継がれていたパンクのスタイルがオイパンクであったというのは、なんとなく感慨深いというか、笑えるんだか悲しいんだかよくわからないなぁみたいな、昔から聞いているおじさんロック評論家としてはそういう感想がありますけれども、しかし、オフスプリングはこのワンパターンで押し切るんじゃなくて、それなりにレンジのあるバンドでしたけれども、さまざまな音楽スタイルに挑戦し、かつオーソドックスなスタイルのロックもやっております。もう一曲オフスプリングきいてください。Denial, Revisited 。




90年代のU2は無理していた説

world rock now 20001103

児島「(U2の新作All That You Can't Leave Behindの)レビューも出てきたんですけれども、いいですよ。」

渋谷「まあ本来のU2節に戻りましたからね。」

児島「そこがいいって。90年代のU2は非常に無理があったって。本来のU2、本当にみんなに愛された原点に戻ったところがよいって。」

渋谷「もともとオーソドックスなメロディーのはっきりしたギターロックで、日本では分からなかったんですけれども、アメリカ行ってつくづく思ったんですけれども、アメリカでU2のコンサートをみてみんな一緒に歌うんですよね。」

児島「あー。アイリッシュ系ってアメリカで強いんですよ。移民が多いですから。アイリッシュ系の。」

渋谷「イギリスはどうなんですか。イギリスでもU2のコンサートってカラオケ状態で歌うんですか。」

児島「歌いますよ。っていうか今少ないスタジアムバンドの一つですよね。」

渋谷「なんかみんなどの曲も合唱するからすげぇと思って。」

児島「こないだダブリンに行ったときにビックリしたんですよ。ナショナルヒーローなんですよね。空港から乗ったタクシーもポップバンドの取材に着たんだっていったら、U2か?ボーイゾーンか?って言われて。」

渋谷「すごい分かりやすいリアクションですね。なるほど。まあ、本来のU2の原点に戻ったということで。」

児島「我々聞くほうも無理がなくていいですよね。」

渋谷「僕は無理は無理でも評価してあげたい口なんですけれども。そちらでの無理をどんどん進めているレディオヘッドの評価はどうなんですか?」

児島「国中が真っ二つに分かれていますね。世紀の大傑作だという派とあまりに実験的な方向にはしりすぎて一般ファンがついていけなくなった派に。」

渋谷「僕はどちらも正しいと思いますね。」

まさしくカラオケのビデオのように編集されたものがYoutubeにありました。



無理してた頃(?)のU2です。



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