world rock now 20001103
PJ ハーヴェイでBig Exit。
今度の作品はこういうアグレッシブなナンバーからもうちょっと落ち着いたナンバーまでわりとバラエティーにとんだ作品になっています。非常に単純な感想をいえばなんかバランスが取れてきたなぁみたいな正直そんな感じです。彼女自身も最近の自分の作品には昔に比べるともうちょっと安定した感じがでてきていて、自分の中でもポジティブな雰囲気がでてきているという発言をしておりまして、それはもう曲の中からもうかがえます。今回のアルバムはトム・ヨークがゲストにきているということでも話題になっておりますが、そうした意味でもコマーシャルな要素が大きいわけであります。しかし、こういう時に私は必ず言うんですけれども、ミュージシャンの安定が幸せな作品を生むのかというとなかなか難しいところでありまして、非常にいい作品でありますし緻密につくられてますし、スリーピースのバンド形式に戻ってですね非常にシンプルな構成でつくられているんですけれども、それでもすごくバランスのとれたウェルメイドな作品になっておりますが、やはりデビュー当時のPJ ハーヴェイの無茶苦茶な攻撃性と破壊性みたいなものをどうしても最初の印象としてもっている僕みたいな人間にとっては、ああいうのも欲しいよなぁみたく思ってしまうのですが、きっとあの時期のPJ ハーヴェイは滅茶苦茶不幸だったと思うんですよね。あれを続けていたのではミュージシャンとしてちゃんとした、ミュージシャン生命を全うできるほどの持続力を持ち得たかというと、甚だ疑問なわけでございまして、そういうことを考えるといい展開なのかもしれませんけれども、だけどすごかったよなぁ昔はみたいな。だけど、次ぎの曲もすごくまとまっていてPJ ハーヴェイらしさと円熟がいいバランスをとって完成されているナンバーだと思います。A Place Called Home 。