音楽のおべんきょうφ(.. )メモメモ

NHK-FMWorld Rock Nowでの渋谷陽一氏の解説で面白かったものをメモしてゆきます。

プログレ(progressive rock)とは「考え方」である説

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1、プログレとは?

 ・プログレシブロックというのは一定の音楽的スタイル、例えばヒップホップであるとかハードロックであるとかいろいろな音楽スタイルがありますけれども、プログレッシブロックというのは音楽スタイルではないんですね。どういことかといいますと、考え方の問題でありまして、70年代にロックは非常に大きな転換点に立ったわけであります。つまり、ロックというのは非常にストレートでプリミティブな初期衝動を叩きつける、そこが非常に気持ちのいい音楽だったわけですね。それを延々やっていくうちにそれだけでは良くない。ちゃんと世界と向き合わなければならない。ロックの中に批評性が生まれ、なら壊した後どうすればいいのか、壊すとはどういうことなんだろうか、世界と向き合うとはどういうことなのだろうか、僕らはどうしてこういう怒りに満ちていかなければならないのだろうか、というようなことを自分に向かって問い直し、考え直した、そういう考え方の一つのムーブメントになったのがプログレシブロックというわけです。ですから考え方ですので、非常に情緒的な曲もあるし、ハードな曲もいろいろあるんですけれども、音楽は後からついてきたというか、散文的な発想で、何がどうしてこうなったという歌詞が多いので、この歌詞に合わせて世界観が広がって、長い楽曲になったり、すごく情緒的なメロディーになったり、すごく説明的な歌詞が作られたり、曲の構造が複雑になったりするんですが、これらそのものがプログレシブロックではないわけです。

2、プログレの基本的なバンド

 (1)、キング・クリムゾン (King Crimson)の「The Great Deceiver」

  ・いわゆる世間で言われる第二期キングクリムゾン。ジョン・ウェットン、ロバート・フリップ、ビル・ブラッフォード、デヴィッド・クロスという、この前のアルバムではジェイミー・ミューアという非常にクレイジーなパーカッショニストがいたんですけれども、その熱は最強ですけれども、そこからジェイミー・ミューアが抜けて作られたSTARLESS AND BIBLE BLACK。タイトルがイギリスの詩人ディラントマスから引用されているという、いかにもプログレッシブロックな佇まいでございますけれども、プログレッシブロックを代表するキングクリムゾンでございました。


 (2)、ピンク・フロイド (Pink Floyd)の「吹けよ風、呼べよ嵐(One of These Days)」

  ・昔はめっちゃくちゃな邦題がついてまして、何なんでしょうね。曲の印象からつけたというかなり乱暴な邦題ですけれども。


 (3)、イエス (Yes) の「Long Distance Runaround」


 (4)、ジェネシス(Genesis)の「I Know What I Like」

  ・ピーターガブリエルがジェネシスに所属していたということも、だんだん知らない人が多くなってしまったかもしれないですね。フィルコリンズのバンドみたいなイメージもあるかもしれないですけれども、もともとはジェネシスというのはピーターガブリエルの独特なシアトリカルな音楽世界をそのまま体現した非常に人気の高いロックバンドでございました。当時ピーターガブリエルは歌うひまわりなんていうことを言われまして、なぜかといいますとすぐ着ぐるみを着てひまわりとかの格好をしてステージにでてきて演劇的なステージを展開することで有名だったわけでございます。


 (5)、エマーソン・レイク・アンド・パーマー (Emerson, Lake & Palmer )の「From The Beginning」

  ・キース・エマーソン、グレッグ・レイク、カール・パーマーの三人組のプログレシブロックユニットでございまして、キース・エマーソンの天才的なシンセサイザーのテクニックと、グレッグ・レイクの非常に情緒的なメロディーライン、もともとグレッグ・レイクというのはキングクリムゾンの初代メンバーでございまして、キングクリムゾンの初期の代表的なナンバーの何曲かの作曲も手がけている、丸い顔して非常に肉付きのいいおじさんになっていって、昔は童顔で人気があったんですけれども、女性ファンのショックを呼んでいました。


 (6)、アフロディテス・チャイルド(Aphrodite's Child)の「エーゲ海(Aegian Sea)」

  ・プログレシブロックが非常に市場性を持ってくると、だんだんプログレシブロックがもつ音楽的なスタイルの最もコマーシャルな部分だけが形骸化してスタイルとしてのプログレが広がってゆくわけでございます。Aphrodite's Childなどは、プログレシブロックが一種ムード音楽として、その商品性が多くの日本人に支持された、一つのサンプルのような楽曲だと思います。


 (7)、ゴング(Gong)の「かつてない経験( I Never Glid Before)」

  ・ゴングというのはプログレシブロック、あるいは前衛ロックといってもいいかもしれませんが、すごく意欲的に、まさに言葉通りにプログレッシブであることを自分達に義務づけているという、デビッド・アレンというひとの常に冒険的であろうという意識がバンドの中でいい形で定着している、言葉通りのプログレッシブロックといえるのではないでしょうか。


ポップソングの基本は3分間である説 その1

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 ・Led ZeppelinのCommunication Breakdown

 ・BlurのSong2

 ・BRAHMANのDeep

 ・RadioheadのPop is Dead

 ・The SmithのGirlfriend In A Coma

 ・My Bloody ValentineのSue Is Fine

 ・Cheap TrickのHello There

 ・The JamのIn The City

 ・The ClashのWhite Riot

 ・QueenのSeven Seas Of Rhye

 ・Sly & The Family StoneのEverybody Is a Star

 ・Tom PettyのI Won't Back Down

 ・Ono Yoko&ImaのTurned the Corner

 ・SuedeのMy Insatiable One

 ・MansunのAnti Everything

 ・Liz PhairのGirls' Room

 ・The DoorsのPeople Are Strange

個人的にはThe ZombiesのThis Will Be Our Yearが3分間ポップソングの名曲です。

サンプリングの元ネタ

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1、Puff Daddyの I'll Be Missing You →The PoliceのEvery Breath You Take をサンプリング





 冗談で、この曲のヒットの後にいろいろなミュージシャンがパフダディに自分の曲をサンプリングしてくれと並んだという話がありました。その後、パフダディがサンプリングしたのがレッドツェッペリンのカシミールでしたが、ジミーページが並んだのかどうかは知りません。

2、Sugar Hill GangのRappers Delight→ChicのGood Timesをサンプリング






 Sugar Hill GangのRappers Delightはラップ史上伝説的な作品として語り継がれておりまして、全世界で200万枚以上売れて、全米のR&Bチャートでは4位、ポップスチャートでも36位を記録したそうであります。一方、Chicはナイル・ロジャースとバーナード・エドワーズのチームが作った非常に洗練されたディスコグループでありまして、おしゃれフリークとかナンバーワンヒットをたくさんもって、その後、ナイル・ロジャースもバーナード・エドワーズもプロデューサーとしても大成功しているのは誰もが知っている話でございますけれども、その中でもChicのGood Timesというのは名曲中の名曲といってよいのではないでしょうか。

3、KRS-OneのStep into a World→BlondieのRaptureをサンプリング







 KRS-Oneといえば、Boogie Down Productionsのリーダーとして、そしてソロになってからもヒップホップシーンの指導的役割を果たしている重要な人物として人気も評価も高いアーティストであります。ブロンディーは言うまでもなく最近になって復活を果たしたニューヨークのポップロックグループです。ブ論ディーはいろんな意味で先駆的な働きをしておりますけど、このラプチャーもラップを取り入れております。

4、Will SmithのMen in black→Patrice RushenのForget Me Notsをサンプリング




 

 ウィルスミスは映画俳優としても大変メジャーですし、彼自身の曲つくりのやり方、この組み合わせを聞いてもわかりますけれども、この異常なわかりやすさ。そういうつくり方でツボを心得たこれならヒットするでしょうという構造。最近の彼の主演作であり彼が音楽を担当したワイルドワイルドウエストのスティービーワンダーのサンプリングというかほとんどカバーに近いものですけれども、そういうやり方も非常にわかりやすい。ヒップホップの大衆化に多いにキャラクター作品ともに役立てているウィルスミスのこれも典型的なあり様でございました。

5、NasのThe Message→StingのShape of my Heartをサンプリング




 

 Nasの後にスティングをきくと改めてスティングの曲はよかったなぁ、名曲だなぁと思ってしまいますけれども、Nasは非常にすぐれたヒップホップアーティストですけど、シリアスなメッセージ性のせいかもう音楽をやめて宗教家になるという話が伝わってきていて、それ以降どうなっていったのか情報がないんですけれども、僕としてはくれぐれも音楽活動はやめてもらいたくないと思います。

6、Beastie BoysのSlow and Low→WarのLow Riderをサンプリング






7、Beats InternationalのDub be good to me→The ClashのThe Guns of Brixtonをサンプリング






8、808 StateのContrique→Joy DivisionのShe's Lost Controlをサンプリング



ポップミュージックの奇跡(似てる曲) その2

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1、邦楽と洋楽

 ・HOUND DOG「今日も電車で」とRed Hot Chili Peppers「Get on Top」

 ・Mr.Children「Alive」とThe Cure「Last Dance」

 ・THE YELLOW MONKEY「楽園」とR.E.M.「Finest Worksong 」

 ・THE YELLOW MONKEY「Second Cry」とThe Smashing Pumpkins「blue skies bring tears」

 ・サザンオールスターズ「愛の言霊」とBarbra Streisand「Woman in Love」

 ・カジヒデキ「ラ・ブーム~だってMY BOOM IS ME~」とXTC「Mayor Of Simpleton」

 ・小沢健二「カーボーイ疾走」とThe Lovin' Spoonful「Darling Be Home Soon」

 ・L'Arc~en~Ciel「love flies」とDinosaur Jr.「Water」

 ・ウルフルズ「かわいいひと」とEagles「Take it easy」

2、洋楽と洋楽

 ・Jordan Knight「close my eyes」とKansas「Dust In The Wind」
 
 ・The band「In A Station」とSteely dan「Pearl of the Quarter」

 ・Gary Glitter「Hello hello i'm back again」とOasis「Hello」

 ・The beatles「Lady madonna」とSublime「What I Got」
 
 ・The beatles「Sun king」とFleetwood Mac「Albatross」




ステキな邦題曲

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1、シック(Chic)のLe Freak→おしゃれフリーク

 当時、シックというのはおしゃれな雰囲気というただそれだけの単純な連想で生まれた邦題であります。当時、ブラック系のミュージシャンの曲はディレクターがかなりいい加減に邦題をつけたましたが、今でもおしゃれフリークといわれてますので、ディレクターの感性が勝ったのかもしれません。

2、カーリー・サイモン(Carly Simon)のYou're So Vain→うつろな愛

 カーリーサイモンの昔の恋人であるウォーレン・ベイティというハリウッドのたいへんメジャーな映画スターがおりますけれども、彼と付き合ったところどうも気が入っていないというかうつろであるというか、そういうカーリーサイモンの苛立ちを叩きつけたそういうナンバーであります。その後、マドンナともあってウォーレン・ベイティはミュージシャンに人気のあるハリウッドスターのようでございます。

3、ドアーズ(The Doors)のPeople Are Strange →まぼろしの世界

 People Are StrangeでアルバムタイトルはStrange Daysというタイトルになっておりまして、どちらもまぼろしの世界という邦題がつけられております。曲もアルバムの違うのに同じ邦題をつけていていい加減ですよね。「people are strange when you're a stranger」という有名なフレーズがありまして、あなた自身がそのなかで異邦人であろうとするならば世界の人々は自分にとって非常にストレンジなものであるというロックが、あるいは我々が生きていくうえでの違和感をなによりも適格な言葉でわかりやすい言葉で表現した名曲なんですけど、それをまぼろしの世界はないだろうというのが私の感想であります。しかし、これも原題よりも邦題の方が流通するようになってしまいました。

4、エルヴィス・コステロ(Elvis Costello)のThe World And His Wife→コステロ音頭

 CD化に伴いこの邦題は消えてしまったようです。恥ずかしいから消したんでしょうね。

5、ザ・キュアー(The Cure) のHanging Garden→首吊りの庭

 そのままの邦題ですけど、ダークな雰囲気を表現するには適切な邦題だったのかもしれません。

6、ハンソン(Hanson)のMMMBop→キラメキ☆MMMBOP

 90年代にはいってこの手の邦題をつけることは異例なことでありまして、私は猛烈に担当レコード会社の人たちに反対したんですけど、どうしてもいくんだってきかなかったんですけどね。その後ハンソンというのは本国においてはキャリアを積んでますけど、このキラメキ☆MMMBOPのために日本では絶対イメージが限定されたと個人的には思います。

7、マニック・ストリート・プリーチャーズ(Manic Street Preachers)のIf You Tolerate This Your Children Will Be Next→輝ける世代のために

 こういう原題が長い曲には、邦題がついたほうがいいのかもしれません。

8、レッド・ホット・チリ・ペッパーズ (Red Hot Chili Peppers)のWarped →レッチリの電撃ワープ

 これは単なるディレクターのお遊びであります。

9、ユーライア・ヒープ (Uriah Heep)のLook At Yourself→対自核

 これは邦題には意味はありません。日本の長い洋楽の歴史の中で最もいい加減な邦題で、しかもこのように長く語り継がれているという最大のものだと思いますね。もっとも有名なものはピンク・フロイドの「原子心母」でありますけれど、これは英語に対峙していますけれども、対自核はまったくしてません。しかし、今この曲をLook At Yourselfという人はほとんどいない。やっぱりみんな対自核と呼ぶ。それだけ普遍性をもっている。いい加減でも普遍性を持つと怖いというそういうものです。

10、エアロスミス (Aerosmith)のWalk This Way→お説教

 これはLook At Yourselfの対極をなすナンバーだと思うんですけど、ユーライアヒープのLook At Yourselfを対自核というのはごくごく普通なんですけれども、Walk This Wayをお説教という人はほとんどいないですね。これは邦題が惨敗した最も典型的な例でありまして、私はこれをつけたディレクターを知っているんですが、いまや日本で最も大きなレコード会社の役員となっているという・・・。

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