ラジオFMのメモ

NHK-FMWorld Rock Nowでの渋谷陽一氏の解説で面白かったものをメモしてゆきます。

夏フェスに来て早い時間に演奏するバンドはみんな一緒である説

world rock now 20071221

伊藤政則「夏フェスに来て早い時間に演奏するバンドはみんな一緒です。トレンドがあると食いついて自分なりに変えてやるんだろうけど、最初は模倣からはじまるからしょうがないけど、それが7、8年とかたつと今はバンドがいなくなっちゃうもん。」

大貫憲章「すぐに解散しちゃうから応援してもしがいがないんだよな。」

伊藤「磨かれて消化してゆくというところまで見届けられないのよ。」

渋谷陽一「ヘヴィメタは長いもんねぇ。」

トゥール(Tool)とア・パーフェクト・サークル(A Perfect Circle)のガス抜きプロジェクト、プシファー(Puscifer)

world rock now 20071214

 プシファーはToolのメイナード(Maynard James Keenan)がやっている新しいプロジェクトでございます。その実質的なアルバムが発表されましたので聞いていこうと思います。Queen B.。



 サイドプロジェクトだからコマーシャル性のないオタクな音なんだろうなぁと勝手な予想のもとにプシファーを聞いてみたんですけれども、結構コマーシャルじゃんみたいなそういう印象を持ちました。メイナードというとア・パーフェクト・サークルというToolとは別個にやっているプロジェクトを連想するんですけれども、ア・パーフェクト・サークルというのはコテコテでなかなか力の入ったものでございましたけれども、あれとは違うすごく身軽なプロジェクトという感じがします。メイナード自身から話を聞いたわけではないので僕の勝手な推測ですけれども、やっぱりToolという巨大バンドはメイナードの一部ではあるけれども、彼自身の持っている音楽性のヘビーでダークな部分を純粋抽出してそれを徹底的に追求したプロジェクトなんですね。ToolにおけるメイナードはToolのメイナードとしてお客さんに喜んでもらえるようにがんばるわけですけれども、きっとこれだけではやってやれないという所があるんじゃないかなぁと思います。あのキャラクターだけではなくて、ワイン作りが大好きで葡萄農園をもってワインに自分の人生を奉げているメイナードもいるわけでありまして、Toolファンからいいますとやめてくれよそんなことはと、いつもドロドロしていてくれよという感じですが、でもメイナード自身も音楽オタクだと思うんで、彼自身のオタク的なダンスビート系でかつダークでロックなテイストをもったものをToolとは違うアウトプットで出してゆきたいという欲求が絶対あるんだろうなぁと。それを楽しんでいる感じがします。そのいい意味での無責任さと自由さがサウンドにも発揮されております。Momma Sed。



 思った以上にポップなんですよ。当然ラジオ向きのポップな曲を選んだんですけれども、他の曲も部屋で流したままにしておくとそれなりに環境音楽風で気持ちのいい感じで、これはいいなぁと個人的には思ったりするんですけれども、メイナード自身もこういうことをやりながらいろいろバランスをとっていたりするんだなぁと。Toolだけやっていると本当にしんどいんだろうなぁ。またア・パーフェクト・サークルを聞くとこっちもしんどそうだなぁと思ったんですけれども、これはガス抜きになったいいんじゃないかなぁと。そしてリスナー的にもメイナードの別のアウトプットを楽しめるなぁという感じがします。The Undertaker。




ジョン・スクワイア(John Squire)に学ぶミュージシャンサバイバル術

world rock now 20071116

 ジョン・スクワイアは音楽から足を洗って画家になって大成功しています。ストーン・ローゼズ時代からレコードのジャケットは書いていましたが、今はすっかり絵の方が本業になってしまいまして、一番安いので50~60万、高いのは600万以上もします。ミュージシャンをやっているよりも儲かるので、当分音楽はやらないそうです。お得意さんの中には、セレブリティーシェフのジェイミー・オリヴァー(Jamie Oliver)とか、リアム・ギャラガー(Liam Gallagher)とか昔ストーン・ローゼズが好きだった人が買っているようですね。ミュージシャンサバイバルにはいろいろなものがあるということですね。

デヴェンドラ・バンハート(Devendra Banhart)に学ぶロックに民族音楽を導入することの功罪

world rock now 20071116

 今アメリカで大変注目されているフリーフォークシーンのヒーローであるデヴェンドラ・バンハート。実はこのアルバムは彼にとって5枚目でキャリアそのものは長く、2006年のサマーソニックには来日して日本のファンの前で演奏している、日本のファンにとっても今出てきたというアーティストではないんですけれども、デヴェンドラ・バンハートはアメリカでも日本でも今は旬な時期を迎えていて注目されているようであります。彼はいろいろなところで育ったという自分自身のキャリアがあり、単純にポップロックだけではなく、いろいろな音楽的要素を自分の中に詰め込んでそれを自分独自の世界で表現している、彼のオリジナルな世界が非常によく表現されている最新アルバムからいろいろ聞いていこうと思います。まずはこの曲から聞いてください。Shabop Shalom。



 もともとはテキサス州ヒューストンで生まれたんですけれども、その後は家族の事情とかいろいろあって、ベネズエラはカラカスの移住してその時の体験が彼の中で大きく影響しているようです。いわゆる欧米のポップミュージックだけではなくていろいろな国の音楽みたいなものが自分の中に取り込まれていてそれがいろいろな形で出て、そういう独特のインプットとアウトプットを持ったアーティストのようでございます。最初に私はこのアーティストを紹介されたときに、欧米のポップミュージックのワールドミュージックがいろいろ取り入れられてその民族音楽のすばらしいところが云々・・・といわれて、ダメだそれは、俺はそういうアーティストは嫌いなんだよと思ったりしたわけでございます。よくこういう風に、ロックを自分達の世界だけに閉じこもらずに世界中にすばらしい音楽があるわけだからその民族音楽のすばらしさをもっと学習して取り入れた方がいいよ、みたいなことを言われると本当に私はムカついてですね、それは民族音楽がすばらしいのは百も承知で日本にも民謡があってそれが世界に通用するクオリティーがってとかいろいろありますが、それいってるんだったらその民族音楽を聞いていればいいわけで、ロックというのは金とかいやらしい思惑でぐじょぐじょになった超資本主義的な世界の中にものすごく面白いものがあるというのがロックの独特なもので、ロックに倫理性や道徳性を取り入れて世界の音楽が云々という奴はろくなもんじゃねぇ、みたいなそういう思い込みが私は昔からあります。しかし、デヴェンドラ・バンハートはそんな所にはいません。ただメチャメチャです。とにかく世界中のよい音楽をどんどん取り入れて民族音楽的な良さがどうのこうのみたいな講釈も論理も何にもありません。自分が面白ければなんでもいいと。実に健全なロックな佇まいのアーティストで、全編聞いていてすごく面白いなぁと思いましたね。一曲ピックアップしてもそれぞれ全然違う要素があって、一曲だけでは伝えきれないんで選曲に困ったんですが、自分が面白いやと思った曲を選ばせてもらいました。それがデヴェンドラ・バンハートに対する一番正しい姿勢だと思います。Bad Girl。



 録音がすごくいい加減な雰囲気だったんですけれども、もともとバンドのメンバーと一軒屋に住んでワニャワニャやりながら音楽作ったり、別のミュージシャンがそこに来て誰が誰だか分からないみたいな感じで暮らしてるみたいですけれども、ヒッピーカルチャーがまさにここに生きているのかなぁという感じがしますけれども、デヴェンドラ・バンハートはいろいろなキャラクターがあって、それぞれの切り口で音楽を楽しめるんですけれども、逆にいえばいろいろな聞き手がデヴェンドラ・バンハートのここにツボがあるみたいな自分自身の音の好みみたいなものがこのアーティストを聞いているとよくわかるみたいな感じがありますけれども、僕自身はデヴェンドラ・バンハートのわりとファンキーな部分に惹かれたようでございます。Lover。




シガー・ロス (Sigur Rós)とビョーク(Björk)に学ぶアイスランドの独特の世界

world rock now 20071109

 過去の自分達の曲、あるいは未発表曲を二枚組みのアルバムにおさめたアルバムですが、一つは新しくスタジオで本来の自分達のエレクトリックなサウンドでレコーディングしなおしたバージョン、そしてもう一つは同じように過去の曲をアコースティックなサウンドでレコーディングしたバージョンの二枚組みで、変則的なライブアルバム、あるいは変則的なベストアルバムという言い方もできるかもしれませんが、シガー・ロスがそういう作品を発表いたしました。まずは、そのアコースティックな方から一曲聴いていただこうと思います。Starálfur。



 彼らのこの二枚組みアルバムの中でもっともポップでキャッチーなナンバーを聞いていただきました。シガー・ロスはアイスランドを代表する大変人気のあるロックバンドでございます。アイスランド語をベースにしておりますけれども、彼らの歌ってる歌詞というのはシガー・ロス語でございまして、この言葉を言語的に理解する人は世界中誰もおりません。オリジナルな言語でございます。まあ、音響系といえば音響系なんでしょうけれども、この独特な世界観によって本当に世界中にたくさんのファンを持ち、日本でも彼らが演奏するとたくさんのお客さんが入ります。彼らのコンサートに行ったらお客の三分の一くらいが泣いていたという事実に私はえらくインパクトを受けましたけれども、演奏はすごかったです。アイスランドの代表的なミュージシャンというとこのシガー・ロスとビヨークということになるんですけれども、そのアイスランドの音楽的なドキュメンタリー映画があってですね、このシガー・ロスだけを見るとかわったバンドだなぁと思うんですが、この映画をみると国中シガー・ロスだらけじゃなかと、あっちこっちでこういうようなバンドがいっぱいいてですね、すごいなこの国はとビックリしました。ビヨークが以前「アイスランドというと、変わった人、バイキング、妖精、そんなことばっかり言われているけどぜんぜん普通なの。本当に普通なの。ぜんぜん普通で。」といってるお前が全然普通じゃないよという非常に印象的なインタビューがあってですね、アイスランドの持つ磁場というのが独特だなぁと、こういう磁場の中でこういうすばらしい音楽が生まれていくんだなぁと思いました。続いて聞くのはこのアルバムの中で二番目くらいにポップなナンバーかなぁと思います。彼らのファーストアルバムと同じタイトルですが、シガー・ロスでVon。





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